和食は四季折々の自然の恵みを大切に、感謝の気持ちと共に暮らしの中で昔から受け継がれてきた日本の食文化です。
春、夏、秋、冬とはっきりとした四季があり、和食にはその季節ごとにしか味わえない様々な旬の食材が取り入れられてきました。
日本は地域ごとの気候や風土にも随分違いがあり、その土地ならではの四季折々の海の幸、山の幸に恵まれています。
季節の移ろいを感じることが、和食の精神として息づいています。
旬・季節感・自然の表現
旬の食品は美味しく、また市場に豊富に出回り値段も安く栄養価も高くなるため、味を楽しむ好機と考えられています。
初鰹のような季節を先取りする「走り」、七草がゆのように野草特有の自然なあく強さや苦味も味わう「旬」、落ち鮎のような翌年まで食べられなくなる直前の「名残」と3度の季節感が楽しまれています。
季節の表現は切り方や色でも表現されます。
春は淡いウドなどをサクラの花びらに見立てて切ります。
夏は青みのシロウリやキュウリを雷や蛇腹に切ります。
秋は鮮やかなニンジンなどをモミジやイチョウの葉に切ります。
冬や新年はユズを松葉に切ったり、ニンジンを梅の花に切ったり、ダイコンとニンジンで紅白を表現したりします。
旬のもの
旬は特定の食材について他の時期よりも新鮮に食べられる時期です。
旬によって季節の移り変わりが感じられます。
野菜にとって一番良い生育条件が整った環境で育てられ最も成熟している時期です。
一番美味しくて栄養も豊富、体に良いものを旬のものと言います。
旬のものは食材が持つ自然の美味しさが一番引き出されていて、体にも良いと言われています。
現在では1年中様々な野菜や果物を目にする機会も増えていますが、旬の食材には豊富な栄養素や鮮やかな色、みずみずしさなどいいことがたくさんあります。
旬のものは市場に出回るため安価になりやすいです。
初物は1年の中で初めて採れた野菜や果物で、旬になる前に出始めた食べ物です。
味付け
食用油の使用は南蛮料理に由来する天ぷらによって油の使用が普及し、肉や油脂に代わる味付けとしてだしが発達しました。
淡泊な味付けで強い香辛料はあまり使われず、旬の味、素材の持ち味が生かされています。
主要な調味料である味噌や醬油は大豆を発酵させた調味料でうま味を伴います。
甘みづけには水飴、みりん、砂糖が使用されます。
伝統形式と料理
御節料理
節会や節句のための料理で、特に正月の料理です。
有職料理
節会などの宴会における儀式料理です。
本膳料理
脚つきの膳に一人分の料理をのせて、本膳、二の膳、三の膳などと組み合わせた料理です。
基本となる本膳の汁物はみそ汁で、膾(なます)の1品、平皿(ひらざら)と呼ぶ煮物の1品、焼き魚等の焼物の1品の三菜とともに、一汁三菜の汁を構成します。
精進料理
中国の寺院から伝わった、植物性の食品や調味料で作る料理です。
懐石料理
茶の湯の食事で、お茶を美味しく飲むための料理です。
飯と汁物と向付が最初に提供されますが、汁物はみそ汁が多いです。
会席料理
宴会や会食のためのコース料理です。
飯と共に止め椀・留め椀(とめわん)と呼ばれる汁物が最後に提供されますが、みそ汁が多いです。
粗食
一汁一菜の粗食でも、みそ汁が欠かせないものとされています。
みそ汁
日本の食文化において、みそ汁は飯とともに提供される汁物料理の代表です。
みそ汁は日本料理における汁物の一つで、だしを味噌で調味した汁に野菜や豆腐、麩や魚介類などの食品を実としたスープ様の料理です。
みそ汁は主食を食べるに際しての食欲増進の役割を果たすと同時に、味噌に含まれる大豆のたんぱく質は低たんぱくの日本食における主要なたんぱく源で汗とともに消耗する塩分の補給に重要な役割を果たしています。
日本料理で類似するものに吸物がありますが、みそ汁が飯と飲食されるのに対して吸物は酒と飲食される肴として区別されます。
お米
お米は稲の果実である籾から外皮を取り去った粒状の穀物です。
イネの系統とお米
イネはトウモロコシ、コムギとともに世界三大穀物と呼ばれています。
イネ科イネ族の植物は22種が知られています。
野生イネが20種で栽培イネは2種のみです。
栽培イネはアジアイネとアフリカイネに分けられます。
アジアイネの米はインディカ種(インド型米)、ジャバニカ種(ジャワ型米)、ジャポニカ種(日本型米)に分類されています。
世界的にはジャポニカ種よりもインディカ種の生産量が多いです。
インディカ種(インド型米)
粒型は細長い長粒で、過熱時の粘弾性(粘り)が低いです。
タイ米とも呼ばれ、炊くとパラパラした米飯になります。
主な調理法は煮ます。
ジャバニカ種(ジャワ型米)
長さと幅ともに大きい大粒で、粘りはインディカ種に近いです。
ジャポニカ種(日本型米)
粒型は丸みがある円粒で、加熱時の粘弾性(粘り)が高いです。
日本での生産は、ほぼ全量がジャポニカ種で、炊いたときに粘りともちもち感があるのが特徴です。
主な調理法は炊くか蒸します。
畑
畑は麦や陸稲などの穀物、野菜、豆、芋、果樹などを栽培するために耕され区画された農地です。
還元型である水田とは異なり、畑地は酸化型の土壌です。
焼畑農法は、森林を伐採した後に火をつけて耕作地を作り栽培する農法です。
畑を焼くことで除草と施肥が期待できます。
作付け作物としては、アワ、ヒエ、キビ、蕎麦、麦、小豆、大根などがあります。
食材の歴史
食材の歴史を見れば、
奈良時代に伝来した茄子・蕪・葱、ナス
室町時代の大根、
戦国時代(天正年間・1579年頃)に伝播したとうもろこし
江戸時代のインゲン豆・蓮根・キャベツ・牛蒡・サツマイモ・竹の子・トマト、
明治時代には玉葱・オクラ、
昭和時代には白菜・ピーマン
といったものが使われるようになりました。
蕪(かぶら)
蕪はアブラナ科アブラナ属の越年草です。
別名はカブラ、カブナ、カブラナ、スズナ(鈴菜、菘)、ホウサイ(豊菜)、ダイトウナ(大頭菜)などと呼ばれます。
蕪の名前の由来は「かぶり」という事からきていると言われ、かぶりとは「頭」の事を指します。
蕪は日本に自生していた在来種で、豊富なバリエーションを持つ野菜です。
サイズはラディッシュのような小さいものから、聖護院大根のような大きなものまであり、大根のように細長い形の蕪もあります。
蕪は大根と共に凶作時の準主食とされる重要な野菜で、各地に多くの品種が成立しています。
ナス
ナスはナス科ナス属の植物、果実です。
インド原産で淡色野菜として世界中で栽培されています。
クセのない味わいと火を通した時の滑らかな食感が特徴で、品種によって様々な調理法があり、料理のジャンルを問わず使えるため、定番の野菜として欠かせないものとなっています。
なすのみぞれ炒め キッコーマン食品株式会社 参考価格192円 ※2024年8月5日月曜日時点の情報
うちのごはんのおいしさのヒケツ!
しょうゆがおいしさのつなぎ役
5種類の国産野菜だし使用 国産野菜だしのやさしい旨み
具入りおそうざいの素 大根、鶏肉、かぶ、赤ピーマン入り
大根・かぶのWおろし たっぷり入ったさっぱりみぞれあん なすだけで5分
名称:そうざいの素(なすのみぞれ炒め)
原材料名:野菜(だいこん(国産)、かぶ、赤ピーマン)、しょうゆ(大豆・小麦を含む)、砂糖、鶏肉、醸造酢、ポークオイル、食塩、植物油脂、野菜エキス、酵母エキス / 増粘剤(加工でん粉)
内容量:135g
材料:なす3本(約200g)、サラダ油大さじ2
作り方(2人前)
[下準備]なすはへたを取り、縦半分に切ったあと、約1㎝の斜め切りにする。
フライパンに油を熱し、なすを強火で約3~4分炒める。
弱火にし、そうざいの素を加え、中火で約30秒炒め合わせる。
とうもろこし
とうもろこしはイネ科の一年生植物です。
米、小麦と伴に、とうもろこしは主食として食べられる世界三大穀物の一つです。
食用として利用されるのは甘味種(スイートコーン)の未熟果で、旬は6~9月です。
黄色の果実は、主食食糧、菓子、酒の原料などに用いられます。
食品用途の品種
ヤングコーン
生食用甘味種の雌穂を若どりしたもの、あるいは多穂性の品種の若い未熟果を摘み取ったものです。
水煮に加工されることが多く、サラダや炒め物に用いられます。
サラダクラブ ヤングコーン キューピー株式会社 参考価格203円 ※2024年7月29日月曜日時点の情報
名称:ヤングコーン・水煮(全形)
原材料名:ヤングコーン、食塩 / 酸味料
殺菌方法:機密性容器に密封し、加圧加熱殺菌
固形量:50g
内容総量:100g
原産国名:タイ
ヤングコーンのバター醬油炒め
屋台の焼きとうもろこしのような味わいです。
材料:ヤングコーン5本、明治チューブでバター1/3 5g、濃口醬油小さじ1/4
作り方
フライパンがよく温まったら明治チューブでバターを溶かします。
洗ってよく水を切ったヤングコーンをフライパンに入れます。
火が通ったら濃口醬油を加えて炒めます。
香ばしい香りと色が付いたら出来上がりです。
トマト
色
ピンク系トマトは、皮が薄くて果肉が柔らかいので生食に向きます。
赤系トマトは、味が濃厚で果肉が厚くゼリー部が少ないものが多く、加熱すると旨味成分が増します。
フルーツトマト
フルーツトマトは特別な栽培方法(水や肥料を制限するなど)によって作られた高糖度トマトです。
従来のものよりサイズは小さいですが、1.2~1.5倍の糖度があり、果物のように甘いトマトです。
産地
一般的には夏野菜として夏に栽培されるトマトですが、冬は暖地、夏は高冷地と産地リレーにより周年供給されています。
旬
露地栽培のものでは7~8月がトマトの旬です。
栄養素
赤い色素成分であるリコピンは、ポリフェノールの一種でトマト特有のものです。
完熟するにつれ含有量が増加します。
リコピンには抗酸化作用があり、脂溶性のビタミンEとともに摂取すると吸収が高まるため、オリーブオイルとの相性が良いです。
トマト料理
日本では生食される他、サラダや焼きトマトなど、そのまま味わう料理も数多くあります。
日本以外では加熱して食べるのが普通で、生食はほとんどしません。
加熱に適した品種の栽培が主流で、生食用の品種自体が珍しいです。
品種によって酸味、甘みの度合いがかなり異なり、皮の硬さも異なるので、用途に適したものを選んで使うのがコツです。
美味しいトマトの見分け方として、ヘタが鮮やかな緑色で張りがあるものが新鮮で、果実の皮全体に艶張りがあり手に持ったときに重くてヘタのそばまで赤いものが味や栄養価の面においても良品とされます。
果実の先端から放射状に入る筋は種が入っている子質と同じ数だけあり、筋の数が多いほど甘みがあり味も良いと言われています。
手を加えた料理でよく知られているものにメキシコ料理のサルサ、イタリア料理の各種ピザ、パスタ用ソース、インドのカレーの一部、ヨーロッパのシチューの一部などがあります。
中華料理でもトマトと卵を合わせた炒め物やスープにされます。
中央アジアではラグマンなどに利用されています。
調理
生でサラダやジュースにするほか、スープやシチューなどの煮込み料理、オムレツや炒め物など幅広いです。
トマトには甘味、酸味、グルタミン酸などの旨味成分が含まれているので、料理の味わいを深める調味料としても使われます。
日本では生食されることが多いトマトですが、欧米では古くからトマトがもつ食材の旨味を引き出す効果が知られ、料理に加えたりトマトソースにするなどの調味料的な使われ方の方が多いです。
トマトに含まれる酸味成分のクエン酸・酒石酸や食物繊維の一種ペクチンは、肉や魚介の臭みを和らげ料理の味を爽やかにする効果があります。
加熱すると旨味成分のグルタミン酸の働きによって特有の旨味が引き出され、グルタミン酸と相性の良いイノシシ酸やコハク酸を多く含む肉や魚介類などの食材と合わせて調理すると、相乗効果でより一層旨さが引き立ちます。
炒め物やシチューなどのように油で調理したり加熱すると、トマトに含まれるリコピンやベータカロテンの吸収を高めるのに役立ちます。
にら
にらに限らず、野菜を生食するメリットは栄養をそれほど失わずに摂取できることです。
ビタミン類は、加熱する方法によっては30%も減少してしまう栄養素です。
特にビタミンCは熱により破壊されてしまうため、加熱調理後は50%も減る場合もあります。
にらはスタミナ野菜とも呼ばれるほど栄養豊富な野菜なので、栄養を逃すことなく摂取できることは大きなメリットです。
にらは年中目にする食材の1つで、元気をつけたい時や栄養のあるものを身体が欲した時に食べたくなる野菜です。
日本で最もよく食べられているのは葉にらです。
いずれの種類の場合にも、お店で購入する際には肉厚で切り口が新鮮なものを選びましょう。
主な調理方法
酢の物
塩ゆでにして3~4㎝くらいに切り、水気をよく切って、ちりめん・もやしなどと三杯酢に混ぜてお召し上がりください。
炒め物
ごま油で鶏肉を炒めてからにらをサッと炒め、塩・コショーで味付けしてお召し上がり下さい。
和え物
茹でて、からし酢みそをかけてお召し上がり下さい。
その他
すき焼き、焼き肉、玉子焼き、かき玉汁、鍋ものなど、お好みに応じてお召し上がり下さい。
春菊
春菊はキク科シュンギク属に分類される植物です。
和名は春に黄色い花が咲き菊に似た香りがすることに由来します。
関西では菊菜とも呼ばれます。
原産地は地中海沿岸です。
日本には室町時代に渡来しました。
日本では葉の切れ込みの少ない大葉が九州・四国・山口県で、切れ込みのある中葉がそれ以東でそれぞれ栽培されます。
中葉は株立ち型と株張り型に分かれます。
欧米では観賞用に栽培されますが、日本・韓国・中国など東アジア諸国では若い茎葉が食用されます。
日本の国産品
国内産は日本の国内で生産されたものです。
「国内産の米」「国内産の豚肉」のように使われます。
「国産」と「国内産」は、厳密な意味の違いはないです。
辞書でも、「国産」の項目に「国内産」という説明があります。
「国産 = 国内で作られたが、原料は外国産のもの」
「国内産 = 原料の生産から加工まで国内で行われたもの」
使い分けがされる場合があるが明確な決まりはないです。
日本の法律では、商品を製造する最終工程を行った国が日本であれば「日本製」と表記できることになっています。
地理的表示(G1)保護制度
農林水産省は、それぞれの地域に根付いた伝統的な生産方法によって育てられ、気候・風土・土壌などの特性が品質の特性に結びついている産品の保護を目的に、地理的表示(G1)保護制度を設けています。
人間の味覚
人間が感じる味は、塩味、甘味、酸味、苦味、旨味の5つです。
美味しく感じる範囲
人間が好む塩味の範囲は比較的狭いものです。
ほんの僅かでも塩が多すぎたり少なすぎたりすると、しょっぱ過ぎたり物足りなかったり感じてしまいます。
一方で砂糖などの甘味の場合、好まれる範囲は塩味ほど狭くないようです。
塩味の効果
対比効果:スイカやお汁粉など、甘いものに塩を少し加えることでより甘さを強めます。
抑制効果:酢の物や鮨酢など、酸っぱいものに塩を加えると酸味を抑えます。
手羽先チキンの粗塩焼き
材料:手羽先、粗塩適量
手羽先に粗塩を適量まぶします。
グリルで30分加熱するとできあがりです。
酢の物
気温も湿度も高い夏は、食欲がなくなりがち。
少しでも栄養のあるものを食べたい時におすすめなのが、酸味のきいた酢の物です。
適度に砂糖やみりんで甘味を付けることで、酢の感じ方もマイルドに仕上げることができます。
酢、しょうゆ、みりん、水で作る三杯酢がおすすめです。
酢の酢酸は、酢酸菌が繫殖してできたものです。
疲労回復、食欲増進、便秘解消、また、食品からカルシウムを溶出させて骨への吸収を高めるため、骨粗しょう症予防にも効果があると言われています。
あじの南蛮漬け
脂がのった青背の魚は、さっぱりとした酢の風味がよく合います。
中でもピリッと唐辛子をきかせた南蛮漬けは、お馴染みの一品です。
材料
あじ(セイゴと鱗を取り除いたもの)1枚、塩、こしょう、紙タオル、小麦粉、揚げ油、玉ねぎ40g、人参10g、甘酢(米酢大さじ2、砂糖大さじ2、水大さじ1/2、塩小さじ1/2、薄口醬油小さじ1/4、赤唐辛子の輪切り1/2本)
作り方
あじを3㎝幅の削ぎ切りにし、両面に軽く塩をふり約10分間おきます。
材料を合わせて甘酢を作ります。
玉ねぎは薄切り、人参は4㎝長さのせん切りにします。
フライパンに油小さじ1を熱して玉ねぎと人参をしんなりするまで炒め、熱いうちに甘酢をつけます。
あじの水気を紙タオルで拭き取り、両面にこしょう少々をふり、小麦粉を薄くまぶします。
フライパンに揚げ油を1.5㎝高さくらいまで入れて約170℃に温め、あじをカラリと揚げ焼きにします。
熱いうちに玉ねぎと人参の甘酢を加えて、20分間以上おいて味を馴染ませ器に盛りつけます。
さばのみそ煮
材料(2人分)
さば(半身)200g、吟醸白みそ大さじ2
だし:水130㎖、だし昆布2g
調味料:しょうがの薄切り4枚(6g)、純米酒大さじ2、みりん大さじ2、麦芽糖みずあめ大さじ1、濃口醬油大さじ1/2
作り方
器に水とだし昆布を入れて30分ほどおきます。
さばは包丁を斜めに入れて4等分に切り、皮目に縦に薄い切れ目を2本入れます。
プライパンにだしと調味料を入れ、中火にかけ沸騰直前にだし昆布をを取り出します。
煮立ったらさばの皮目を上にして入れ、スプーンで煮汁をかけながら1分ほど煮ます。
さばの色が変わったら、煮汁が泡立つくらいの火加減に調整して、蓋をして5分ほど煮ます。
煮汁で吟醸白みその半量を溶きのばして加え、蓋をして2分ほど煮ます。
蓋を取り残りの吟醸白みそを溶きのばして加え、つやが出るまで煮からめます。
赤だし
赤だしは、味噌に鰹節を混ぜて摺り合わせたものを煮たてて漉した出し汁を使って、なめこ汁などに仕立てた料理です。
八丁味噌などの豆味噌に米味噌を合わせたもの
豆味噌をベースに米味噌、調味料(昆布や鰹節の出汁など)を配合した調合味噌
野菜の天ぷら
夏野菜の焼き天ぷら
材料:ナス1本、オクラ4本、とうもろこし1本、もう揚げない‼焼き天ぷらの素60g、水60㎖、さらさらキャノーラ油大さじ3程度
作り方
ナスは半分に切ったものを更に半分にしてから、片側の切り口を2㎝残して4本にします。
とうもろこしは実を剥ぎ、オクラは板ずりしてからがくを取って数ヶ所穴を開けます。
板ずり:塩をまぶしてすり込み、まな板の上でゴロゴロ転がす下ごしらえで、塩を洗い流してから調理します。
ボウルに水、焼き天ぷらの素を入れ、泡立て器でよく混ぜます。
フライパンにまんべんなく広がる程度の油(大さじ3程度)をひき、30秒ほど中火で温めます。
ナスとオクラに生地をつけて、約3分中火で焼きます。
裏返し、さらに約3分焼きます。
残った生地にとうもろこしを入れさっくり混ぜ、スプーンですくい落として薄く平にし、中火で約3分焼きます。
ピラフ
ピラフは、炒めた米を様々な具とともに出し汁や香辛料を加えて炊いた料理です。
主にトルコ料理が有名で、インドから中近東を経て、南欧ギリシャにまで幅広い見られる米料理です。
トルコ料理のピラフには、ジャポニカ米、インディカ米、蒸した小麦を乾燥させて砕いたブルグールの3つが使われています。
チキンピラフ
フライパン一つで完結。
鶏もも肉はふっくら、トマトの酸味と旨味、爽やかな大葉の香りで夏でも食欲が止まらない。
材料
大葉5~6枚
材料(a):鶏もも肉1/2枚(約125g)、塩こしょう適量、キャノーラ油大さじ1
材料(b):明治チューブでバター1/3 12g、ニンニク1かけ、玉ねぎ1/4個、米1/2合(約75g)
材料(c):水80㎖、本格がらスープの素小さじ1、濃口醬油小さじ1/2、スイートグリンピース40g、塩こしょう1/8、トマト(湯むき)1/2個、ピーマン1/2個
作り方
大葉は千切り、ニンニク、玉ねぎ、ピーマンはみじん切り、トマトは湯むきをして1口大に乱切り。
鶏もも肉の皮をよく伸ばし、両面に塩こしょうをふり、表面を下にしてきつね色になるまでパリッと焼く(片面だけ)。
鶏もも肉を取り出したフライパンに、材料(b)を入れて、玉ねぎが透明になるまでじっくりと炒め、米を油が馴染むように炒める。
材料(c)を入れて、沸騰したら鶏もも肉は皮面を上に、周りにトマトとピーマンを入れる。
弱火で15分程度炊き5分程度蒸らす。
鶏肉を取り出し、1口大に切る。
軽くご飯を混ぜる。
皿にご飯を盛り付け、鶏もも肉のせて、大葉の千切りを飾り付ける。
カレー
カレー(英:curry)は、多種類の香辛料を併用して食材に味付けするインド料理の特徴的調理法を用いた料理に対する英語名です。
インド系、東南アジア系、洋食系のいずれも、国際的に人気のある料理の1つとなり、世界中でカレー文化が根付いています。
カレーの語源
タミル語のカリ(kari、スープの具の意味)またはカリル(karil、スパイスで味付けされた野菜や肉の炒め物の意味)が語源です。
複数の粉末香辛料を混合させて作ったソースを用いた料理全般を指します。
もともとインド人はカレーという言葉を使わず、それぞれのカレー料理には個別の名称が用いられていました。
イギリスのカレー
18世紀後半にイギリスのクロス・アンド・ブラックウェル(C&B)社がスパイスを予め調合した「C&Bカレーパウダー」を販売して、カレーはイギリスの家庭料理として普及しました。
日曜日に大きなローストビーフを焼く習慣(サンデーロースト)があり、残り肉の調理法の1つがカリー・ライスでした。
第二次世界大戦後、旧植民地の南アジア地域のインドとパキスタンが独立し、イギリスは両国からの移民を大量に受け入れ、南アジア系移民の共同体とインド料理店が多数生まれました。
ローストビーフの残り肉を煮込んだイギリス式のカレーが、インド料理に取り入れられました。
日本のカレー
カレーはインド発祥のスパイス料理で、日本には明治時代にイギリスから伝わりました。
日本にカレーが伝えられたのは1868年で、イギリスの商船が既成のカレー粉を持ち込んだのが始まりです。
イギリスから伝わったカレー粉に小麦粉を加えたとろみのあるカレーを、米飯(ライス)の上にかけて食べるカレーライスが普及しました。
肉食の奨励とともに、野菜、肉、米をまとめて摂取可能な上に、安上がりで食べ応えがあったことでカレーライスが定着していきました。
日本独自のカレー料理(食品)は多く、カレー南蛮(カレー味の汁をかけた蕎麦)などの麵類、ドライカレー、カレーまん、カレーパン、カレーコロッケなどがあります。
溶き卵で食べる鶏むね肉のカレー炒め
材料(2人分):鶏むね肉約250g、玉ねぎ小1/2個、スイートグリンピース30g、キャノーラ油大さじ1、カレー(特性エスビーカレー大さじ1/2、ケチャップ大さじ2、濃口醬油大さじ1、純米酒大さじ1、純粋はちみつ小さじ1、味塩こしょう小さじ1/4、)、鶏卵2個
特性エスビーカレー ※2024年5月28日火曜日時点の情報
品名:カレー粉
原材料名:ターメリック(インド)、コリアンダー、クミン、フェネグリーク、こしょう、赤唐辛子、ちんぴ、その他香辛料
作り方
玉ねぎを薄切りにして、玉ねぎとスイートグリンピースを茹でます。
鶏むね肉を食べやすい大きさに切ります。
フライパンにキャノーラ油を熱し、鶏むね肉を焼きます。
玉ねぎ、スイートグリンピース、カレーを加えて絡めます。
鶏卵を器に入れて溶き卵を作り、溶き卵に鶏むね肉のカレー粉炒めつけていただきます。
クリームコロッケ
クリームコロッケはベシャメルソースを使ったコロッケです。
1887年、日本にクロケットが伝来しました。
コロッケのルーツはフランス料理のクロケットと考えられ、現在のクリームコロッケに当たります。
日本には乳製品の加工技術が普及していなかったため、クロケットを改良してジャガイモを使ったコロッケが発明されました。
1895年には、クロケットを受け継いだクリームコロッケとジャガイモを使った通常のコロッケ(ポテトコロッケ)が別のメニューとしてレシピが公開されるようになりました。
漬け物
漬け物は、様々な食材を食塩、酢、酒粕などの漬け込み材料とともに漬け込み、保存性を高めるとともに熟成させ、風味を良くした食品です。
これらの漬け込み材料は高い浸透圧を生じたり、pHを下げたり、あるいは空気を遮断する効果を持ちます。
漬け物の種類によっては、乳酸発酵などの発酵と、それによる保存性や食味の向上が伴います。
発酵を伴うタイプの漬け物は、材料に自然に付着している乳酸菌と材料に含まれる糖類によって発酵し、保存性と風味の向上が起こりますが、麴などを添加して発酵の基質となる糖類を増やしたり、そこに含まれる酵素によって風味を向上させる酵素反応を誘導することもあります。
一方、実際には浅漬け、千枚漬け、松前漬け、砂糖漬け等、その製造に発酵を伴わないものも多くあり、漬け物すなわち発酵食品と分類することは誤りです。
漬け物の塩分量が高い最大の理由は長期保存です。
日本では昔から野菜を保存するために塩をすりこんで寒くて暗い場所に保存しています。
塩分は漬け物の中でも一番高いザーサイですが、栄養価は高く鉄分やカリウムが多く含まれていたり利尿作用が高いなどの効果があります。
漬け物は昔から、「大切な食材を保存する方法」として日本だけでなく、世界中で重宝され続けています。
また風味や旨味を高める特徴を持ち、今もなお私たちの生活に欠かすことができない調理法の一つです。
漬け物は生の状態では食べにくいナスや高菜など緑黄色野菜でも熱を加えず食べることができるので、ビタミンが失われることも少ないです。
さらに、水分も抜けてかさが減るので無理なく食べることが可能です。
梅かつお沢庵 参考価格213円 ※2024年4月24日水曜日時点の情報
かつおの旨味と梅の風味でほどよい酸味の甘口沢庵を食べやすく刻みました。
名称:たくあん漬(刻み)
原材料名:塩押し大根(国産)、漬け原材料(糖類(果糖ぶどう糖液糖、砂糖)、梅酢、食塩、醸造酢、かつお削節、ぬか類)/ 調味料(アミノ酸等)、酸味料、甘味料(アセスルファムK、ステビア)、保存料(ソルビン酸K)、香料、着色料(黄4、赤106)、(一部に大豆を含む)
内容量:110g
加工所:株式会社 元祖漬けもんや
香の物
香の物は香りの濃い漬物のことを指します。
香の物は単独の料理より、煮物・蒸し物・煎り物などの料理と合わせて副菜としてじっくり食べられることが多いです。
赤飯
赤飯は小豆の色が茹で汁に移り、それが米に吸収されるため、赤色を帯びた色になるのが特徴です。
赤飯には必ず小豆が用いられ、赤く染まったご飯を指します。
赤飯の起源
墓室の壁画など呪術的なものに辰砂が多く使われ、日本神話の賀茂別雷命や比売多多良伊須気余理比売出生の話に丹塗矢(破魔矢の神話的起源)の伝承から、古代より赤い色には邪気を祓う力があるとされてきました。
神道は稲作信仰(田の神など)を基盤にしていて、米はとても価値の高い食糧と考えられていました。
風習
現在は、祭りや誕生祝いなど吉事に赤飯を炊く風習が一般的です。
古代には赤米を蒸したものを神に供える風習がありました。
お供えのお下がりとして人間も赤米をいただきました。
竜を祭るという風習では赤飯が8世紀から使われています。
九頭竜伝承として箱根の芦ノ湖の湖水祭では、御供船に三升三合三勺の赤飯とお神酒を積み載せ、逆さ杉のところで湖底に沈め捧げます。
江戸中期、赤色が邪気を祓う効果があることを期待したり、「災い転じて福となす」の言葉遊びから南天(難を転じる)を添えて赤飯が食べられていました。
赤飯の作り方
材料:大納言小豆20g、水550ml、もち米70g、うるち米5g、粗塩小さじ1/2、有機黒いりごま小さじ1
大納言小豆と水を鍋に入れて中弱火で1時間30分ほど茹でます。
大納言小豆を茹でている間、もち米とうるち米を洗って浸水します。
大納言小豆が茹であがったら、もち米とうるち米と粗塩を加えます。
中弱火で30分茹でて水分がなくなったら火を止めます。
器に移して黒いりごまをまぶすと完成です。
お寿司
お寿司は酢飯に魚や海藻などをのせた日本の伝統的な料理です。
お寿司の歴史
日本のお寿司は1000年以上の歴史があり、既に奈良時代に存在が知られています。
平安時代の「延喜式」(927年)には諸国からの貢納品が記されていて、鮓・鮨の語が多く記されています。
九州北部、四国北部、近畿、中部地区に多く、関東以北には見られないのが特徴的です。
魚を塩と飯で漬け込み乳酸発酵させるなれ鮨であると考えられています。
なれ鮨は魚の保存が主であり、飯は食材と言うより漬け材料という扱いになります。
ご飯・お米はただ魚を保存させるための手段でした。
鎌倉時代になると鮨は残り物の魚の加工品として「沙石集」に登場します。
米食が一般庶民に浸透する室町時代になって登場した生成れによって、飯を一緒に食する習慣が生まれました。
1750年刊の「料理山海郷」には巻鮓が登場します。
1802年刊の「名飯部類」には、寿司は昔は発酵させるものだったが今では酢を使うものばかりであると解説されていて、酢を用いた寿司が定着していることがわかります。
今のちらし寿司の原型になった起こし寿司も「名飯部類」に登場します。
江戸時代には鮮度の高い魚を使った握り寿司が発展しました。
お寿司は魚を美味しく食べるための手段です。
お寿司は世界中の人々から愛されており、ただ食を提供するだけではなく、日本の代表的な食文化を伝道する役割も果たしています。
「すし」には「寿司」「鮨」「鮓」などの字が使われています。
「寿司」と言う表記は、京都で朝廷へ献上することを考慮し使われるようになりました。
大坂では「鮓」、江戸では「鮨」の字が使用されました。
「鮨」は夏の季語です。
「鮓」は「つけうお」、「鮨」は「うおびしお」は、本来は別の魚料理です。
シャリに使う調味料
うるち米75gを炊いた時に使う調味料:純米酢大さじ1、粗塩3g、麦芽糖みずあめ8g
稲荷寿司
稲荷寿司は、甘辛く煮た油揚げの中に、酢飯を詰めた寿司の一種です。
「お稲荷さん」「お稲荷」「いなり」などとも呼ばれます。
袋状に開いた油揚げを甘くあるいは甘辛く煮付け、寿司飯をそのまま、あるいは人参や椎茸などの具材を煮込んで混ぜた寿司飯を詰める一種の印籠寿司です。
稲荷神社の稲荷神(五穀を司る宇迦之御魂神(うかのみたまのおおかみ)・倉稲魂命)は商売繫盛と共に豊作の神様であり、米を使用した俵型の稲荷寿司につながります。
一般的には米俵を模した俵型(円筒に近い直方体)に仕上げます。
味がしっかり油揚げに染み込むようにひっくり返し煮込み、ひっくり返したまま中身を詰めるもの、油揚げの表面を炙ったもの、三角油揚げを用いて三角形に仕上げるものなど、地域によって異なります。
油揚げ
油揚げは、薄切りにした豆腐を油で揚げた食品です。
厚揚げ(生揚げ)とは異なり、薄切りをした豆腐を使用するので内部まで揚がっています。
油揚げは調理前に茹でるか熱湯をかける「油抜き」をしてから料理に用いられることが多いです。
これにより油臭さが取り除かれて調味料の吸収が良くなります。
切ってからだと切り口から油を吸収してしまうため、下茹では切る前に行います。
べに花すしあげ ケーエスフード株式会社
べに花油100% 油抜き不要ですぐに調理できます。
名称:油揚げ
原材料名:大豆(カナダ又はアメリカ)、植物油脂(べに花油) / 凝固剤[塩化マグネシウム(にがり)、硫酸カルシウム]、消泡剤[グリセリン脂肪酸エステル、炭酸カルシウム、植物レシチン(大豆由来)、炭酸マグネシウム]
稲荷寿司の油揚げの味付け
稲荷寿司の油揚げ4枚分の調味料(水50㎖、麦芽糖みずあめ大さじ3、濃口醬油大さじ2、本みりん小さじ1)
干瓢(かんぴょう)
干瓢はユウガオの果実を紐状に剥いで乾燥させた食品(乾物)です。
果実が7~8㎏に育つと夏場に収穫・加工されます。
巻き寿司のかんぴょう巻きやちらし寿司の具、煮物の昆布巻きや揚げ巾着、ロールキャベツの結束などに用いられます。
栃木県産 かんぴょう 株式会社倉井康雄商店 参考価格354円 ※2024年7月16日火曜日時点の情報
名称:かんぴょう
原材料名:ユウガオの実(栃木県産)/ 保存料(二酸化硫黄)
内容量:20g
上手なもどし方
かんぴょうはさっと洗い、小さじ1杯の塩をふりかけ両手でよくもみ、弾力の出るまで柔らかくし、新しい水で塩を流し、更に水を替えて5分位浸します。
たっぷりの熱湯で5分程、好みのかたさにゆで水気をとります。
かんぴょうの甘辛煮
調味料:昆布だし100㎖、上白糖大さじ1と1/2、本みりん大さじ1と1/2、濃口醬油大さじ1と1/2、純米酒大さじ1
鍋に調味料を合わせて煮立て、かんぴょうを加えます。
落とし蓋をし、弱火で7~10分間、煮汁が少なくなるまで煮ます。
火を止めて、そのままおいて味を含ませます。
粗熱が取れたら保存容器に移します。
冷蔵庫で4~5日間保存可能です。
食べるときに食べやすい長さに切ります。
かんぴょう巻き
かんぴょう巻きは甘辛く煮た干瓢を具材とする海苔巻きです。
「鉄砲巻き」「木津巻き」とも呼ばれます。
鉄火巻きやかっぱ巻きと並ぶ代表的な細巻き寿司で、江戸前寿司では単に海苔巻きと言えばかんぴょう巻きを指します。
握り寿司を食べた後の締めとしても好まれています。
納豆巻き
納豆巻きは納豆を使った海苔巻きです。
醬油や塩などで味付けしたり、ねぎや大葉、きゅうり、かつお節などが添えられます。
ちらし寿司
鮮度の高い魚を使ったちらし寿司(ちらし早ずし)です。
握らなくても美味しくいただけます。
わさび醬油でいただきます。
材料:うるち米75g、水300ml、調味料(純米酢大さじ1、粗塩3g、麦芽糖みずあめ10g)、錦糸卵(たまご1個、麦芽糖みずあめ小さじ1、純米酒小さじ2/3、粗塩小さじ2/3、キャノーラ油小さじ1)、わさび、濃口醬油
ちらし早ずしの作り方
うるち米と水を鍋に入れて30分以上浸水します。
中弱火でご飯を炊きます。
調味料を混ぜ合わせます。
ご飯が炊き上がるまでの間に錦糸卵を作ります。
たまご、麦芽糖みずあめ、純米酒、粗塩を混ぜて卵液を作ります。
フライパンでキャノーラ油を温めて卵液を加えます。
卵液が焼き上がったら千切りにして錦糸卵にします。
中弱火で約30分ほどでご飯が炊き上がります。
ご飯が暖かいうちに調味料を加えて和えて、冷めたらシャリのできあがりです。
シャリを器に盛り付け、シャリの上に錦糸卵を敷き詰め刺身を並べると、ちらし寿司のできあがりです。
取り皿にわさびをすりおろし濃口醬油を加えてわさび醬油を作り、ちらし寿司をいただきます。
ひな祭りに食べるちらし寿司
ひな祭りに食べる料理として一般的なちらし寿司ですが、料理そのものにはひな祭りのいわれはないそうです。
ちらし寿司に使う食材はどれも縁起の良いものばかりです。
錦糸卵、桜でんぶ、魚、いくら、人参など、華やかさを演出できる料理で、女の子の成長を祝うご馳走にはぴったりです。
見た目の可愛いらしさや華やかさに加え、食材や色に込められた願いを意識することで、ひな祭りの料理を考えるのが楽しくなります。
はまぐり
はまぐりは高級食材の一つです。
遊離アミノ酸を多く含み、これが味に深みとコクを与えます。
殻付きの状態で潮汁、酒蒸し、焼き蛤など、むき身として寿司、はまぐり鍋、はまぐり飯、ぬた、しぐれ煮など利用範囲は広いです。
はまぐりの潮汁
はまぐりは同一個体の殻でなければぴったりとかみ合わないので貞節の象徴とされ、結婚式やひな祭りではまぐりの吸い物が出されます。
ひな祭りをお祝いする料理といえば「はまぐりの潮汁」。
その時期に採れるはまぐりは、対になっている貝殻同士でしかぴったりと合わないことから「女の子が将来良い相手に出会えますように」という願いが込められて作られます。
魚料理
魚料理は春夏秋冬が楽しめます。
春はさわらや鯛が旬、夏はアジやイワシ、秋は鮭や戻り鰹にさんま、冬はブリを使った魚料理はご馳走です。
白身魚
白身魚は赤身魚と比べて、脂肪の量が少なく低カロリーで味が薄いです。
白身魚の風味は海水魚と淡水魚では異なります。
海水域の白身魚の方が淡白です。
海岸に近い場所で捕れる白身魚は、磯の香りがします。
鰆(さわら)のバターしょうゆ焼き
材料:さわら(切り身)3切れ、塩少々、小麦粉適量、バター16g、A(濃口醬油大さじ1、みりん大さじ1)
さわらに塩をふり、しばらくおいて水気をふき、小麦粉を薄くまぶし、余分な粉をはたきます。
フライパンにバターを入れて中火で溶かし、さわらを両面焼きます。
Aを加えてフライパンをゆすりながら焼き絡めます。
さわらを器に盛り付けると完成です。
鰯(イワシ)の万年煮
万年煮の由来は、それほど日持ちするという意味だそうです。
長時間煮て濃い目の味付けにするのがポイントです。
作り置きになるので便利です。
材料:鰯5尾、生姜大1片、調味料(純米酒200㎖、水100㎖、濃口醬油小さじ2、みりん小さじ2、純米酢小さじ1、麦芽糖みずあめ大さじ1)
鰯の頭を落として、内臓を取り除きます。
生姜はよく洗い皮ごと千切りにします。
鍋に調味料を入れて中火で煮ます。
沸騰したら鰯と生姜を加えます。
蓋をして弱火で煮詰めます。
※鰯は煮崩れるので動かさないようにします。
煮汁が殆どなくなったら出来上がりです。
さんま
さんまは秋の味覚として日本人に親しまれている回遊魚です。
漢字表記となっている秋刀魚の由来は、秋に旬を迎えよく獲れることと、細い柳葉形で銀色に輝く魚体が刀を連想させることにあります。
秋に獲れる刀のような形をしたさんまの食べ方
焼き魚として調理する場合、取り除くべき大きな鱗を待たず、内蔵やえらを取り出すことも少ないので包丁を必要とせず扱いやすいです。
さんまは胃がなく短く直行する腸が肛門に繋がり餌を食べてから排出する時間が30分程度と短いため、内蔵に独特のクセがあるがえぐみが少ないです。
塩焼きにしてカボスやスダチ、ユズなどの搾り汁やポン酢、醬油などをかけ、大根おろしを添えて食べられることが多いです。
さんまの甘露煮
材料:さんま1尾、純米酢50ml、水50ml、生姜 少々
さんまの頭を落として内蔵を取り出し、水で洗って5等分にします。
鍋に材料すべてを入れて、中弱火で20分加熱すると完成です。
ツナ
ツナはスズキ目サバ科マグロ属に分類される魚の総称で、5属14~15種が含まれます。
ツナ缶
ツナ缶は植物油に漬けたものが主流でしたが、低脂肪・低カロリーの需要が高まったことなどから、油分をカットしたツナ缶も販売されています。
ツナの身はフレーク状やブロック状のものがあります。
ノンオイル・無添加タイプのツナ缶は、良質なタンパク質が摂取できるなどの理由で愛用されています。
まぐろと天然水だけのシーチキン純 はごろもフーズ株式会社
食塩不使用、オイル不使用
名称:まぐろ水煮(フレーク)
原材料名:きはだまぐろ(インドネシア)
内容量:70g
蒲鉾(かまぼこ)
蒲鉾(かまぼこ)は魚肉のすり身を形成して加熱した魚肉練り商品です。
蒸しかまぼこ、焼抜きかまぼこ、ちくわ、はんぺんや鳴門巻きなどの湯でかまぼこ、揚げかまぼこなどに分類されます。
製法により、杉などの小板に半円筒形に盛りつけた板かまぼこ、麦わらなどに巻きつけた巻かまぼこ、薄く削った蒲鉾を乾燥させた削りかまぼこなどがあります。
原料はスケトウダラ、イワシ、イトヨリダイ、イシモチ、タチウオ、ハモ、エソ、ヨシキリザメなどが使われています。
魚のカルパッチョ
鯛やサーモンのカルパッチョというとイタリアの魚介料理と思われがちです。
実は日本で生まれた和製イタリアンです。
今では世界的に知られるようになった刺身のおかげで、本場イタリアンでもカルパッチョに魚の名前をつけることで、鮮魚のメニューとして認知されるようになり人気となっています。
干物(ひもの)
干物(ひもの)は魚介類の身を干した乾物です。
魚介類の水分を乾燥によって減らすことで貯蔵可能になります。
干物は鮮魚より微生物の作用により腐敗が遅くなります。
天日や風で水分を蒸発させて微生物が使える自由水の割合(水分活性)を減らすとともに、表面に膜を作ることにより保存性が高まります。
干物の乾燥方法は天日乾燥と人工乾燥に大別されます。
天日乾燥は天日干しとも呼ばれています。
干物は素材を乾燥させる風が重要で、適度な湿度や温度などが必要とされます。
干して乾燥することで、独特の食感とそれに伴う食味が生まれ、蛋白質が分解されて旨みが増します。
干物は海が近い地域の土産売り場だけでなく、全国のスーパーマーケットなどで広く販売されたり、旅館・飲食店で料理として出されたりしています。
冷蔵庫が普及した現代でも、生魚から作る刺身や焼き魚、煮魚とは違った、干物独特の味・食感を好む消費者が多いです。
調理法は焼きが中心ですが、蒸したり、各種料理の具材に使ったりもできます。
しらす(白子)
しらす(白子)は、体に色素が乏しく白っぽい稚魚・仔魚の総称です。
いかなご、かたくちいわし、マイワシ、ウルメイワシ、アユ、ニシン、シラスウナギなどがあります。
塩ゆでにして干した加工食品はちりめんじゃこ、白子干し(白子乾し)などと呼ばれます。
白子干しなどの形で積極的に食用とされるのは、かたくちいわしの仔稚魚がほとんどです。
煮干し
煮干しは小魚を煮て干した水産加工品です。
かたくちいわしで作ったものが最も一般的ですが、マイワシ、ウルメイワシ、キビナゴ、アジ、サバ、トビウオ(あご)などを原料としたものもあります。
主に出し汁をとる材料として使われる他、そのまま、あるいは乾煎りにするなどで食べられています。
明太子
たらこ(鱈子。タラの卵巣 = 魚卵)の別名。
辛子明太子(唐辛子を主として漬けて味付けしたたらこ)の別名と略称。
辛子明太子
辛子明太子(からしめんたいこ)は、スケトウダラの卵巣(たらこ)を塩漬け熟成し、塩抜き後に唐辛子、昆布、砂糖、醬油などの調味液に漬け込んで発酵させた惣菜です。
調味液を白砂糖や黒砂糖、角砂糖、ザラメ、蜂蜜などできる限りの甘味を加えたり、酒や鰹節や昆布の出汁でうま味やコクも加える試行錯誤をし、低い塩度で漬け乳酸発酵を伴う「漬け込み型辛子明太子」が開発されました。
かつおだしや酒、唐辛子粉、みりんなどを使い、唐辛子粉以外は日本式の熟成調味料のため辛さは控えめです。
根菜類
根菜類は土壌中にある部分を食用とするものの総称です。
根物とも言います。
根菜類は、土の中で成長する野菜で、根、地下茎、鱗茎、担根体などを食用します。
根を食用する根菜
肥大した直根を食用するもの
ルタバガ、ビート、パースニップ、ブラック・サルシファイ、セルリアック、大根、人参、蕪、牛蒡、
側根や不定根に由来する塊根を食用するもの
キャッサバ、ヤーコン、さつまいも
根菜類には、ニンジン、大根、ごぼう、かぶ、さつまいも、じゃがいも、里芋、れんこん、山芋などがあります。
他にも根菜には様々な種類のものがありますが、共通して言えることは、どれも食物繊維が豊富だということです。
根菜類は、加熱すると柔らかくなり、甘みが増す特徴があります。
根菜類の白みそ煮(小鉢4個分)
材料:洗いごぼう1本、大根1/4本、人参大1/2本、鶏もも肉150g、さらさらキャノーラ油大さじ1、昆布出し汁100ml
※風水では鶏肉は金運アップにつながる食材と言われています。
白みそだれ(麦芽糖みずあめ大さじ1、酒大さじ1、しょうゆ大さじ1/2、、白みそ大さじ1と1/2)
※白みそを使うことで、塩分が低く米麴の持つ甘さが特徴の根菜料理になります。
薬味ねぎ適量(※風水ではグリーン色の薬味ねぎは再生のパワーがある食材と言われています。)
根菜類の白みそ煮の作り方
洗いごぼうを薄切りにして水に入れてアクを抜きます。
大根はいちょう切りの薄切り、人参は大根より小さめのいちょう切りの薄切りにします。
鍋に油を入れて熱し、一口大に切った鶏肉を炒めます。
鶏肉に火が通ったら、ごぼう、人参を炒めます。
大根を入れて炒めます。
出し汁を入れて、蓋をして煮ます。
※時々、蓋を取って混ぜます。
しょうゆ、酒、白みそ、麦芽糖みずあめを混ぜます。
白みそだれを入れて和えます。
薬味ねぎを入れて混ぜると出来上がです。
刻んで漬けるだけの紅白なます
材料:大根100g、人参20g、塩もみ用粗塩小さじ1/2強、合わせ酢(きざみこんぶ適量、純米酢20ml、粗塩小さじ1/4、麦芽糖みずあめ10g、純粋はちみつ小さじ1/2、フリーズドライゆず皮適量)
紅白なますの作り方
合わせ酢に使うきざみこんぶの下準備をします。
きざみこんぶを約1~2分水に浸してから約10分茹でます。
大根と人参を千切りにして塩もみして、余分な水分を切ります。
材料を混ぜて合わせ酢を作ります。
大根と人参を合わせ酢に漬けて馴染むと紅白なますのできあがりです。
こんにゃく
サトイモ科の植物、その球茎から作られる食品です。
こんにゃくは、こんにゃく芋という植物の根から作られる食品で、日本では古くから食べられています。
板こんにゃくは、味が染み込みやすいように表面に浅い切れ目を入れたり、手でちぎって調理されることもあります。
煮物で板こんにゃくを使う場合、乾煎りすると味が染み込みます。
調理の際に酸の強い調味料を使うと結合力が低下したり、軟化したり溶解してしまう場合があります。
ポテトサラダ
ポテトサラダは、マヨネーズを加えるタイミングがポイントです。
マヨネーズを加えるタイミングは、つぶしたじゃがいもの上に手をかざして、ほんのりと温かさを感じる程度(約40℃)の時がおすすめです。
粗熱をとることで、マヨネーズの分離を防ぐことができ、また、じゃがいもに味が馴染んで染み込みやすくなります。
じゃがいもの大きさやマッシュの具合によって味の濃さは変わります
マッシュの具合によって、マヨネーズの使用料を調整します。
細かくマッシュするほどマヨネーズの量は多めになります。
マッシュしたじゃがいもの粗熱が取れたら、玉ねぎ、にんじん、きゅうり、ハム、マヨネーズを加えてよく和えます。
シャキシャキしたきゅうりと、ほくほくしたじゃがいものコントラストが楽しいポテトサラダ。
お惣菜の定番でもあり、お弁当にも、またお酒のおつまみとして楽しめます。
鍋料理
おでん、しゃぶしゃぶ、すき焼き、もちもちの麵や具材がたっぷり入った鍋料理は寒い季節にぴったりですね。
さまざまな風味の鍋をご紹介します。
柚子こしょう香る鶏だんご鍋:白だしと水を1 : 9で合わせるだけ!だしがしみ込んだ鶏だんごとたっぷり野菜に柚子こしょうの爽やかなアクセント!
常夜鍋(じょうやなべ):豚肉及びほうれん草または小松菜、白菜、キャベツなどをサッと煮てポン酢で食べる鍋料理。
よだれ鶏鍋:本格的な味わいの鶏鍋、さっぱりとしたレモン風味で食欲をそそります。
日本の冬に鍋料理はつきもの、海山の幸に恵まれた日本各地に地域自慢の鍋料理があります。
おでん
おでんは、鰹節と昆布でとった出し汁に味を付け、種と呼ばれる様々な具材を入れて長時間煮込みます。
おでん種としては、薩摩揚げ、はんぺん、焼きちくわ、つみれ、こんにゃく、大根、芋、がんもどき、牛すじ、ゆで卵、厚揚げなどがあります。
汁が煮詰まったときは、味をみてお湯か出汁を足します。
練りものの旨みがおでん汁に出過ぎないように、練り物を煮る時間は10~15分です。
はんぺんは食べる直前に入れ、汁をかけながらさっと温めます。
おでん種やつけだれの種類は地域や家庭によって異なります。
牛肉
牛肉は他の食用肉と比べ鰹冷凍保存に向いています。
牛肉を得る上で飼育期間が短く、筋繊維の構造がほぐれにくくなっているからです。
明治時代以降広く食べられ、牛鍋屋(すき焼き)が流行しました。
部位
ネック、肩、肩ロース、リブロース、サーロイン、ヒレ、らんいち、内もも、外もも、肩バラ、ともばら、しんたま、すね
和牛と日本の国産牛
和牛は品種を指す言葉です。
国産牛は日本国内の飼養期間が外国の飼養期間よりも長い牛を国内で畜として生産された牛です。
ブランド牛肉
牛肉のブランドは、産地(地理的表示)、血統(品種)、枝肉の格付け、飼育法などにより、一定の基準を満たしたものに付けられます。
すき焼き
すき焼きは、牛肉や他の食材を浅い鉄鍋で焼いたり煮たりして調理する日本の料理です。
調味料は醬油、砂糖、酒、みりんなど、またそれらをあらかじめ合わせた割り下が使用されます。
すき焼きは、鍋物スタイルで調理され、提供される日本料理です。
すき焼きに卵をつけて食べる理由は諸説あり、昔ならではのものも多く、現在では卵をつけなくても十分にすき焼きは美味しく食べられます。
魯山人風すき焼きの最大の特徴は砂糖と卵を使わないことです。
すき焼きの美味しさを左右するのは、やはり肉だと言えます。
最適な部位、鮮度のよい肉、正しい食べ方を覚えておけば、最高のすき焼きが味わえます。
フライパンでつくるすき焼き(1人分)
材料:すき焼きの具(アメリカ産アンガスビーフ肩ロースうす切り90g、焼き豆腐160g、長ねぎ1/2本、生芋糸こんにゃく100g、エノキタケ50g、菌床生ハナビラタケ30g、白菜100g、)、割り下(濃口醬油(原材料名:大豆(国産)、小麦、食塩/アルコール)25ml、本みりん(原材料名:米(国産)、もち米(国産)、米こうじ(国産米)、醸造アルコール(国内製造)、糖類(国内製造))25ml、麦芽糖みずあめ(原材料名:馬鈴薯澱粉(馬鈴薯(北海道産)))大さじ1、水25ml)、溶き卵適量
ビーフ肩ロース、焼き豆腐は食べやすい大きさに切ります。
長ねぎは1cm幅の斜め切りにします。
生芋糸こんにゃくは食べやすい長さに切ります。
エノキタケは石づきを取って半分に切り、ハナビラタケは食べやすい大きさにほぐします。
白菜は5cm長さに切ります。
割り下の調味料を混ぜておきます。
フライパンを中弱火で熱し、ビーフ肩ロース、長ねぎをサッと焼き、割り下をまわしかけます。
その他の具を入れて中弱火で煮込みます。
味がしみ込むように焼き豆腐は途中上下を返します。
全体に火が通ったら、溶き卵をつけて食べます。
豚肉
明治時代以降、豚肉が庶民の間でも食べられるようになりました。
豚肉を使った中華まんは豚まんと呼ばれ親しまれています。
SPF豚(健康豚・健全豚)
SPF(Specific Pathogen Free)豚は指定された病原体を持っていない豚です。
疾病罹患のストレスのない快適な環境で育つため、肉質が軟らかく、豚のしゃぶしゃぶや豚のたたきなど加熱処理時間の短い料理に用いられます。
食用部位
かた、ロース、ばら、もも、ヒレなどの部位が一般に食べられています。
トロ、タン、ハツ、レバー、シキン、ナンコツ、フワ、ハラミ、シビレ、チレ、オッパイ、マメ、ガツ、モツ、シロ、テッポウ、ドテ、キンツル、コブクロ、ホーデン、スネ、豚足、表皮、筋、血液などの部位も食べられています。
しゃぶしゃぶ
しゃぶしゃぶは日本の鍋料理の一つです。
しゃぶしゃぶが日本で食されるようになったのは、戦後の昭和20年代初期からで、薄味の温まったお出しの中で肉をおよがせ洗うような食べ方をすることからしゃぶしゃぶと言われるようになりました。
薄く切った一口大の食材を卓上の鍋に煮え立たせた熱湯やだし汁、スープにくぐらせて加熱調理し、小鉢のタレにつけて食べます。
タレはポン酢とゴマダレが一般的です。
ゆずぽん 株式会社ミツカン ※2024年1月2日火曜日時点の情報
名称:味付けポン酢
原材料名:しょうゆ(小麦粉、大豆を含む)(国内製造)、果糖ぶどう糖液糖、醸造酢、ゆず果汁、食塩、昆布だし/調味料(アミノ酸等)、酸味料
内容量:150ml
トンカツ
トンカツは日本で明治時代に発祥した日本料理です。
日本ではカタカナでトンカツと呼ぶか、漢字とカタカナを合わせて豚カツと呼びますが、カツと呼ぶと豚カツを意味する呼び方になります。
トンカツは、厚みのある豚のロースやヒレのスライス肉を、小麦粉、溶き卵、パン粉をまとわせて食用油で揚げた料理です。
外食店のトンカツ
外食店のトンカツの調理法は、油にどっぷりと浸して揚げるディープ・フライで、豚肉に含まれる水分の蒸発が少ないため、しっとりと柔らかな食感です。
とんかつソース、ゴマ、辛子、塩、デミグラスソースなどで食べられています。
トンカツに、生キャベツの千切り、ご飯、みそ汁、香の物が添えられます。
生キャベツの千切りは、消化吸収を助け、ビタミンUを摂取できるので有意義です。
家庭料理のトンカツ調理のコツ・ポイント
お肉を叩くのは繊維を壊し柔らかい食感にするためです。
お好みで裏表両方叩いて下さい。
肉叩きがない場合は包丁の峰の部分(包丁の刃ではない上の部分)を使ったり、めん棒などでも良いです。
揚げるときには鍋の大きさに合わせて入れて下さい。
一度に大量に入れると油の温度が下がり、サクッとした食感のフライになりません。
ロースカツは、主に豚の肩から腰にかけての背肉の部位、ロースの肉を用いた「とんかつ」の呼称です。
ヒレカツは豚肉のヒレを使用しているため脂身が少ない分あっさりとした仕上がりで、高級部位だけあって肉質はロースカツより柔らかいです。
ヒレカツ
材料:豚ヒレ肉90g、生塩糀(原材料名:米こうじ(国内製造)、食塩/酒精)適量、米粉パウダー(原材料名:うるち米(国産))適量、たまご1個、生パン粉(原材料名:小麦粉(国内製造)、植物性ショートニング、イースト、ぶどう糖、食塩/イーストフード、ビタミンC、(一部に小麦を含む))適量、キャノーラ油(原材料名:食用なたね油(国内製造))適量、千切りキャベツ適量
豚ヒレ肉を食べやすい大きさに切って、生塩糀を適量塗ります。
溶き卵を作ります。
米粉パウダーを薄くまぶして溶き卵をつけます。
生パン粉をまんべんなくつけ、軽く手で押さえて衣を落ち着かせます。
揚げ焼きするのに適量のキャノーラ油をフライパンに入れ170~180℃に熱し、肉を揚げ焼きます。
※油の温度の見分け方:菜箸を油に入れ、箸の先端から細かい泡が出てくると170~180℃です。
片面が揚げあがったら裏返して、パチパチと乾いた音になり、油の泡が小さくなったらできあがりです。
千切りキャベツを適量の生塩糀で味見しながら和えます。
器にヒレカツと千切りキャベツを盛り付けると完成です。
チキン
鶏肉またはチキンはニワトリの食肉です。
牛肉、豚肉、羊肉と並んで世界で日常的に食用にされる肉の一つです。
鶏肉は牛肉、豚肉と異なり、食のタブーに触れることが少ない食肉で世界中で広く消費されています。
鶏肉は世界各国で食べられており、揚げる、煮る、蒸す、焼くなど様々な方法で調理されています。
そのまままるごと丸焼き(ローストチキン)にすることもあれば、部位別に分けてから調理し料理に仕立てたり、あるいは一旦挽肉にしてつくね(ミートボール類)にすることもあります。
鶏ささみはむね肉の一部で、あっさりとして最も脂肪が少ない部位です。
余分な脂肪をとりたくない人から圧倒的な人気があります。
鶏肉は1羽から数多くの肉が加工され、それぞれ焼き鳥や炒め物など、くせや長所を生かした料理に使われます。
鶏は最も代表的な家禽であり、日本では単に鳥肉といえば鶏肉を指すことが多いです。
中部地方の一部や関西地方や九州地方では鶏肉全般が「かしわ(黄鶏)」とも呼ばれます。
かしわは本来褐色の羽色の日本在来種ですが、鶏肉料理の名称(かしわめし、かしわうどん)に用いられています。
鶏の唐揚げ
唐揚げは中国から伝来した調理法で、食材に小麦粉・片栗粉を薄くまぶすか、または何も付けずに揚げた料理です。
食材には魚介類も含めて様々なものが使われますが、その中でも鶏肉を使った唐揚げは日本独自のもので、弁当、おかず、おつまみ、定食屋のメニューなど、様々な場で食べられる人気料理です。
鶏肉が唐揚げに適した3つの性質
- 豚肉や牛肉と比べた場合、鶏肉はコラーゲンの量が少ないため、高温で加熱しても食感が柔らかい。
- 水分量が多いため、油で揚げて肉の中に閉じ込められた水分がジューシーに仕上がる。
- 低温でも溶けやすい脂であるため冷めても美味しい。
調理
標準的な調理方法は、食べやすい大きさに切った鶏肉に、しょうが汁、すりおろしニンニク、醬油、酒などで下味をつけて、しばらく置いて味を馴染ませた後、片栗粉か小麦粉を表面にまぶして油で揚げます。
焼き鳥
焼き鳥といえば種類が豊富なのも魅力の一つです。
一部を紹介すると、最も一般的な「もも」、尾骨の周りの筋肉を使う「ぼんじり」、肝臓を使う「レバー」は脂肪肝のものを「白レバー」と呼びます。
焼き鳥を想像する時に最もイメージしやすいのは「ねぎま」です。
お肉は鶏の上身部分を使っていて、ネギの風味とよくマッチする定番のメニューです。
焼き鳥の歴史はかなり古く、794年頃の平安時代には宴の料理として「鳥焼物」という名前で記録が残っています。
焼き鳥は、鶏肉や白ネギを一口大に切って串に刺して焼いたものです。
種類
レバー(肝臓)、ハツ(心臓)、砂肝(砂嚢)、ささみ(胸の近く脂肪が少ない部位)、せせり(首)、かわ、ねぎま(ももと白ネギ)、つくね(挽き肉)など
調理
家庭で作る焼き鳥は、オーブンやグリルで焼かれています。
味付け
味付けは、塩を主に使用した「塩」と、醬油、みりん、酒、砂糖などで調整したタレをつけて焼いた「タレ」があります。
たまご
たまごは栄養が豊富なので食用に利用されています。
日本において、食事関係で「たまご」というと鶏のたまごを指すことが多いです。
卵黄の色
卵黄の色は薄いクリーム色から濃いオレンジ色まで様々です。
卵黄の色は飼料に含まれるカロテノイドが卵黄へ移行する量で決まります。
同じ鶏の個体でも飼料を変えることで卵黄の色が変化します。
カロテノイド含量が多いとうもろこしを与えると卵黄の色が濃くなり、カロテノイド含量が少ない飼料米を与えると白っぽくなります。
たまごの知識
たまごには、メチオニンという必須アミノ酸が豊富に含まれています。
メチオニンから体内でつくられた抗酸化物質は、からだの毒素や老廃物を排泄し、代謝をよくする働きをします。
たまごには活性酸素の発生を抑えたり、ミネラルの一種で活性酸素を除去する働きの強いセレン・セレニウムやビタミンA、B6、Eなども含まれています。
卵黄には、抗酸化作用が強く、体内の活性酸素を除去する働きのあるカロチノイドが含まれています。
卵黄には大豆の約3倍のコリンが含まれているうえに、食品の中で最も脳内に吸収されやすいという特長をもっています。
コリンは記憶・学習に深く関わる神経伝達物質です。
コリンを多くとった結果、学習能力が25%もアップしたそうです。
寒卵
寒中(小寒から立春の間)に生まれたたまごは寒卵と言い、味が良く日持ちすると言われています。
寒卵は俳句の季語にもなっています。
主なたまご料理
鶏卵の調理的性質は、熱凝固性、卵白の気泡性、卵黄の乳化性です。
生卵:卵かけご飯、月見うどん、釜玉うどん、月見そば、すき焼き
殻のまま茹でる:ゆで卵、温泉たまご
茹でた後殻を割り味付ける:煮たまご、たまごサラダ
茹でたものに溶く:たまごスープ、あんかけ
溶く:茶碗蒸し
溶かずに焼く:目玉焼き
溶いたものを焼く:たまご焼き(厚焼き卵、薄焼き卵)、だし巻き卵、錦糸卵、オムレツ、たまご炒め、スクランブルエッグ
卵とじ:玉子丼、親子丼、他人丼、天津飯、卵とじうどん
親子丼
親子丼は、割下などで煮た鶏肉を溶き卵でとじ、飯の上に乗せた丼物の一種です。
玉ねぎや長ネギなどと共に煮て、彩りとして三つ葉やきざみのりなどを飾ることが多いです。
「親子」という名称は鶏の肉と卵を使うことに由来します。
卵は必須アミノ酸がバランスよく含まれており栄養満点と言われる食材です。
昔から人々の健康を支えてきた優秀食材です。
人形町の鶏料理店で生まれた親子丼はその後、いろいろなお店で提供されるようになり、今ではすっかり家庭でもお馴染みの定番料理になりました。
関東風の親子丼は、醬油とみりんが効いたものになっています。
一方、関西では出汁を効かせた薄味のものが多く、具材として青ネギなどが使用されることも多いです。
一般的に親子丼には玉ねぎが使われる場合がほとんどであり、煮汁に合わせて玉ねぎが甘くなるため非常に相性が良いとされています。
しかし、長ネギも負けておりません。
長ネギは玉ねぎほど甘くなりませんが、煮汁を良く吸い親子丼の具と良く絡みます。
独特の風味がある長ネギの方が好きという方もいます。
関東風の親子丼
具はたまごと鶏肉だけ!
シンプルだけど本格的な親子丼です。
家庭で定番のどんぶりがワンランク上がります。
福島の地鶏「川俣シャモ」や「会津地鶏」を使うと、よりリッチな親子丼になります。
材料(1人分):地鶏(もも肉、むね肉)80g、たまご(全卵)2個、たれ(濃口しょうゆ大さじ2、本みりん大さじ1、麦芽糖みずあめ小さじ1、中ザラ糖小さじ1、昆布出汁1カップ)、ご飯丼1杯分、トッピング(卵黄1個)
地鶏(もも肉、むね肉)は一口大にカットします。
卵を割り、軽く混ぜ合わせ溶き卵をつくります。
ふわとろに仕上げるために溶き卵は混ぜすぎないようにしてください。
鍋にたれを入れて火にかけ、沸騰したら中火にして地鶏(もも肉、むね肉)を入れます。
裏返しながら火を通します。
肉に火が通ったら弱火にし、溶き卵を中心から円を描くように2/3程度回し入れます。
煮詰まらないように火加減に注意です。
卵のフチが固まってきたら、残りの卵をまわりから円を書くようにかけ、ふたをして30秒で火を止め少し蒸らします。
ご飯の上に盛りつけて、トッピングを落としたら完成です。
寄せたまごのレンジ蒸し
材料(2個分):干し椎茸1枚、ぎんなん水煮4個、鶏ひき肉40g、さやえんどう3枚、(A)濃口醬油大さじ1、麦芽糖みずあめ大さじ1、(B)たまご2個、麦芽糖みずあめ小さじ1/2、粗塩小さじ1/4
干し椎茸は100mlのぬるま湯に戻し、石づきを切って粗みじん切りにします。
ぎんなん水煮は5㎜暑さに切ります。
鍋に干し椎茸、干し椎茸の戻し汁、鶏ひき肉、(A)を入れてよく混ぜてから中火にかけます。
ぎんなんを加え、水分がなくなるまで煮詰め、鶏そぼろを作ります。
(B)を鍋に入れて、かき混ぜながら熱し、とろとろの炒り卵を作ります。
とろとろの炒り卵を2等分してラップにのせ、鶏そぼろものせて巾着に絞ります。
器に入れて、電子レンジ(600W)に1分かけます。
よく冷ましてからラップを外します。
茹でて半分に切ったさやえんどうをあしらい完成です。
甘辛料理
甘辛料理は日本料理で非常に人気があります。
甘味と辛味の絶妙なバランスが食欲をそそります。
甘味たれ:醬油ベースの万能なたれでご飯との相性も抜群です。
新じゃがいもの甘辛煮:みずみずしい新じゃがいもを甘辛く味付けした一品です。
豚肉の甘辛炒め:濃い目の味付けの甘辛い豚肉をレタスに包んでいただきます。
揚げずにサクサク鶏唐風甘辛だれ ※2024年4月2日火曜日時点の情報
名称:そうざい用調味料
原材料名:
調味ソース[砂糖混合ぶどう糖果糖液糖(国内製造)、醬油、でん粉、植物油脂、植物性たん白加水分解物、黒糖/酒精、調味料(アミノ酸)、糊料(キサンタン)、カラメル色素、甘味料(スクラロース)、(一部に小麦・大豆を含む)]
衣[調味粉(でん粉、デキストリン、粉末醬油、砂糖、ジンジャー、胡椒、食塩、ガーリックパウダー)、ごま、大豆たん白、コーンパフ/調味料(アミノ酸等)、重曹、(一部に小麦・ごま・大豆を含む)]
内容量:92g(調味ソース55g、衣37g)、2~3人前
麵類
麵類は穀物などの粉を練って作る加工食品の一種です。
原料は小麦粉、蕎麦粉、米粉、片栗粉、タピオカなどの穀物粉が主体です。
細長い形状をした加工食品であれば原料によらず「麵」と名付けられて供される場合があります。
穀物を主原料とする麵は主食とされる場合が多いです。
様々な調味料や具材、副菜とともに食されています。
麵類の特徴
麵は穀類の粉やデンプンに水と塩などを加えた生地を細長く成形した食品です。
麵は長いストリップまたはひもに成形された種なし生地から作られた食品の一種です。
麵は、水分を含んだ状態から調理されることもあれば、乾麵から調理することもあります。
調理方法としては茹でることが一般的ですが、油で揚げることもあります。
麵の性質
麵類は主として原材料に左右されるものの、基本的には澱粉とたんぱく質で構成され成分の性質の違いが麵の食感や粘弾性に寄与します。
澱粉
モチモチ感が求められるうどんなどはアミロース含有量が少ない小麦粉が適しています。
小麦粉の澱粉の場合、グルコースはアミロースとアミロペクチンの2種類の分子構造から成り立ちます。
アミロペクチンが多い澱粉ほど加工した時にモチモチした食感が期待できます。
アミロースが多い澱粉はドロッとした食感になります。
春雨や冷麵などの麵、即席めんや他の製麵加工時の打ち粉にはジャガイモの澱粉が用いられます。
ジャガイモの澱粉は粒子が大きく、糊化する透明度が増し強い粘り気と高い保水力を持つようになります。
たんぱく質
小麦粉のたんぱく質は加水してこねることにより粘弾性性質(弾力性と粘り気のある性質)に変化します。
こねることによりグルテニンとグリアジンは相互に結合してグルテンを形成します。
温度や小麦粉の練り方、時間のかけ方(一晩寝かすなど)などによって、グルテンの形成状態が変わることにより麵の食感に影響を及ぼします。
蕎麦粉のたんぱく質は結着性に乏しいため単体での製麵加工は難しく、小麦粉や鶏卵、長芋、布海苔、コンニャク粉、オヤマボクチなどのつなぎを用いて練り合わせます。
麵類の分類
機械麵の場合、そうめんの麵の太さは直径1.3㎜未満で、直径1.3㎜以上1.7㎜未満はひやむぎ、1.7㎜以上はうどんです。
そうめん
そうめんは日本国内では奈良県桜井市が発祥の地とされています。
奈良時代に唐から伝来した唐菓子の索餅に由来します。
平安時代には七夕に索餅を食べると病(マラリア性の熱病)にかからないという中国の故事に倣って、宮廷での七夕行事に索餅が取り入れられていました。
室町時代は、茹でて洗ってから蒸して温める食べ方が主流で、「蒸麦」や「熱蒸」とも呼ばれました。
江戸時代には、七夕にそうめんの細く長い麺を糸に見立てて裁縫の上達を願って供え物とする風習が広まりました。
うどん
うどんは小麦粉を練って長く切った幅と太さ持つ日本の麺です。
手軽な庶民食として祝い事に際して振る舞われるハレの食物として食べられています。
ぺろっこうどん
岩手県奥州市で製造されている干しめんです。
原材料名:小麦粉(小麦(国産))、食塩
ぺろっこうどんは食感とのどごしを追求して幅広に仕上げた珍しいうどんです。
ツルンとした舌触りとコシの強さが特徴で、温めても、冷たくても美味しくいただけます。
和・洋・中とアイディア次第で色々な料理で楽しめます。
うどんつゆ
かけうどんのつゆは、だし汁、濃口醬油、みりんを5:1:1で合わせて沸かすだけです。
ざるうどんのつゆは、だし汁に濃口醬油とみりんを加えて煮詰めます。
だし汁は、かつお節や昆布、煮干しなどで取ると美味しくなります。
小麦を使った麵類の歴史
小麦は寒冷地から熱帯地方まで広範囲で栽培可能でした。
小麦は水と混ぜることでグルテンが生成され粘り気と弾力性に富んだ性質が多様な食品への加工に適していました。
大きな2つの理由により小麦は世界的な普及を見せました。
麵の主たる原料である小麦は東地中海沿岸(イラン西部、イラク東部、トルコ南部および東部)がその起源とされています。
最初に栽培が行われるようになったのはメソポタミアで、紀元前9000年~7000年頃と考えられています。
そのまま食すことに適さない小麦は、栽培当初は粥として食されていたと考えられています。
食感などを求めて小麦粉を練って生地を作ってパン(無発酵パン、発酵パン)として食す方法や、練った生地をちぎってすいとんのように食す方法が広まります。
小麦は様々な形状への加工が行われるようになり、その過程で細長く形づくられたものが麵にあたると考えられるようになりました。
他の穀物を使った麵が地中海地域で小麦粉のものに変えられた可能性も考えられています。
現在までに発見された最も古い麵類の遺物は、中国青海省民和回族トゥ族自治県の喇家遺跡で発見されました。
これはおよそ4,000年前のものであり、麵は小麦粉ではなく粟で作られていました。
日本のほうとうやうどんに似た食感を持ちますが、切って成形するものではありませんでした。
長さは伸ばす台の長さによって決まり、1メートルになるものもあります。
「陜西十大怪」の1つにも挙げられるこの麵は、その長さと広い幅のために「麵条賽腰帯」とベルトに例えられています。
中国大陸に小麦が伝わったのは前漢(紀元前1世紀前後)時代に西方との交易路が開けてからであると言われています。
日本の麵類の歴史
遣唐使が唐菓子と果餅を持ち帰ったことが、日本での麵と菓子の始まりとされます。
平安時代に天皇の勅使に「はくたく(餺飥)」という平たい麵類が振る舞われたという記録があります。
はくたく(餺飥)ははくたくうどんとも呼ばれ、ほうとうのルーツです。
鎌倉時代から室町時代にかけては、留学僧によって宋の麵料理が伝来し、現在のそば、うどん、そうめん、冷麦のもととなりました。
江戸時代までにこれらの麵料理は大衆料理として親しまれるようになっていきました。
明治時代に入り内外の往来が活発化するにつれ、うどん、そば、そうめん、冷麦といった伝統的な麵類の他、中国の麵料理から派生したラーメン、ヨーロッパのパスタ類も一般化し、現代では様々な麵食品が愛好されています。
にしんそば、讃岐うどん、たらこスパゲッティをはじめとする独特の派生料理が登場しています。
油で揚げて保存性、加工性を持たせたインスタントラーメンが開発されて以来、うどん、そば、焼きそばについてもインスタント食品としての商品開発が進み、国内のみならず世界各国で一大市場を築いています。
そば
そばはソバの実を原料とする蕎麦粉を用いて加工した日本の麵です。
寿司、天ぷらと並ぶ代表的な日本料理です。
縁起担ぎのために大晦日の夜に年越しそばを食べる風習があります。
年越しそば
年越しそばは大晦日(新暦12月31日)に縁起を担いで食べる蕎麦です。
日本で歳末の風物詩ともなっている風習・食文化です。
地域による特色があり、呼び方も晦日蕎麦、大年そば、つごもり蕎麦、運蕎麦、大晦日蕎麦、年取り蕎麦、年切り蕎麦、縁切り蕎麦、寿命蕎麦、福蕎麦、思案蕎麦と多くあります。
江戸時代には定着していた日本の文化です。
1814年(文化11年)に刊行された『大坂繁花風土記』の記述
正月十四日 十四日年越とて、節分になぞらえ祝う。この日そば切を食ふ人多し。
蕎麦は他の麵類よりも切れやすいことから「今年一年の災厄を断ち切る」という意味があります。
年越しそばに関する伝承として、
「年を超してから食べることは縁起がよくない」
「蕎麦を残すと新年は金運に恵まれず小遣い銭にも欠くことになる」
などがあります。
そばの食べ方
そばは作法にこだわらず香りや喉ごしを楽しめる麵です。
新蕎麦の時期に、そばの香り・歯触り・喉ごしを楽しむために水や塩をつけて食べられます。
春雨
春雨は緑豆あるいはじゃがいもやさつまいも、とうもろこしなどから採取された澱粉を原料として作られます。
春雨は西暦1000年前後には中国で作られていて、日本に禅宗の精進料理の材料として鎌倉時代に伝来しました。
春雨は中華料理、朝鮮料理、タイ料理、ベトナム料理、和食に使われています。
春雨の使われ方
中華料理では、炒め物や汁の少ない鍋料理などの主役になる他、春巻きなどの具にしたり麵料理に使われています。
春雨を挽き肉と煮込んで唐辛子で味付けたマーイーシャンシュー、フカヒレの代用として使われています。
朝鮮料理では、水で戻した春雨を野菜類と一緒にごま油で炒めたチャプチェとして供されることが多いです。
タイ料理では、ヤムウンセンなどの和え物や鍋物、トムヤムクンなどのスープ料理に春雨を入れます。
ベトナム料理では、フォーやブンと同じように麵料理として利用されています。
和食では、水か湯で少し戻してから加熱し煮物や炒め物、戻したものを春雨サラダのような和え物にされます。
鍋料理の具、煮戻してごま油と少量の唐辛子などで中華風に味付けされます。
麻婆春雨は春雨を炒め煮にした日本風の中華料理です。
熊本県中部の郷土料理である太平燕(タイピーエン)は春雨を主体にした麵料理です。
日本酒
清酒は海外産も含め、米、米麴および水を主な原料として発酵させてこしたものです。
日本酒は、清酒のうち原料の米に日本産米を用いて日本国内で醸造したものです。
原料
日本酒の主な原料は米と水と米麴です。
米
用途によって、麴米(こうじまい)用と掛け米(かけまい)用の2種類があります。
麴米には通常酒米(酒造好適米)が使われます。
掛け米には全部又は一部に一般米(うるち米)が使われます。
水
水は日本酒の80%を占める成分で、品質を左右する大きな要因となります。
水源はほとんどが伏流水や地下水などの井戸水です。
米麴
米麴は蒸した米に麴菌(ニホンコウジカビの胞子)を振りかけて育てたものです。
日本酒が原料とする米の主成分は多糖類である澱粉です。
澱粉を糖化してブドウ糖を生成する役割を担うのが米麴です。
アルコール度数
一般的な日本酒のアルコール度数は15~16度です。
純米酒
純米酒は、白米、米麴および水のみを原料として製造した清酒で、香味および色沢が良好な日本酒です。
白米は3等以上に格付けされた玄米又はこれに相当する玄米を使用し、更に米麴の総重量は白米の総重量に対して15%以上使われています。
純米吟醸酒
純米吟醸酒は、吟醸酒のうち、醸造アルコールを添加せず、米、米麴及び水のみを原料として製造した日本酒です。
醸造アルコールを添加した吟醸酒に比べて香りは穏やか(控えめ)になり、味は厚みがあります。
吟醸酒
吟醸酒は、精米歩合60%以下の白米、米麴および水、又はこれらと醸造アルコールを原料とし、吟醸造りによって製造した清酒で、固有の香味や色沢が良好な日本酒です。
もろみを絞る直前に醸造アルコールを添加することで、芳香成分を米粕から日本酒に移行させます。
低温で長時間かけて発酵させて造られ、吟醸香と呼ばれる華やかな香気成分が特徴です。
地理的表示
国税庁の酒類の地理的表示に関する表示基準を定める件(平成27年国税庁告示第19号)により、国税庁長官の指定を受けた地域においてはその表示ができると共に、産地の特徴を生かすよう原料や製法等が制限されています。
清酒の産地のうち国税庁長官が指定するものを表示する地理的表示は当該産地以外の地域を産地とする清酒ついて使用してはならないため、他地域で製造された清酒には類似表示(「○○風仕込み」「○○式清酒」)が禁止され、地域ブランドが保護されています。
日本国内全体を産地として保護する「日本酒」も指定されています。
郷土料理
日本は南北に細長く海や山に囲まれた地形から地域ごとに風土が異なり、各地にその土地ならではの伝統的食材や伝統料理(郷土食や郷土料理)が生まれました。
郷土料理は、その地域に根付いた産物を使い、その地域独自の調理方法で作られ、地域で広く伝承されている地域固有の料理です。
- その地方の特産品をその地方に適した方法で調理したもの
- ある地域に古くから行われている食形態で他地方には見られない特色を有し、その発生が明治以前であるもの
- 現在は比較的広範囲の各地の人々に食されているが、江戸時代までは限られた範囲の地域の民衆生活のみ定着していた食形態であるもの
種類や調理方法における地域性は、地形、気候、地域ごとの生産物といった自然的要因だけでなく、地域の人々の気質、宗教、産業技術の発達状況、時代・地域社会の思潮などの人為的要因によっても形成されます。
- その土地で大量に生産される食べ物を美味しく食べようと工夫したことにより生まれたもの
- 地方の特産物を利用してできたもの
- その地方で生産されない材料を他地域から持って来て、独自の料理技術を開発して名物料理に仕上げたもの
古くは各家庭で調理されていたが、工場で生産された調理済み品を購入する形態が増加しています。
食品の流通、加工、貯蔵の各技術の向上により、食品の均質化と家庭内調理法の画一化が進み郷土料理の地方色が薄くなっています。
山菜
山菜は山野に自生し食用にする植物の総称です。
山菜の食用採種自体は古来各地の山村で行われてきました。
野生植物である山菜は灰汁による独特の苦味・えぐ味がある場合も多いですが、旬を感じることができるので珍重されます。
地域の植生によって採種できる山菜も違うため、観光の普及によって郷土料理としても注目されています。
山菜料理
山菜は、色、香り、歯ごたえが楽しまれ、灰汁抜きしたものをお浸しや和え物にして食べられています。
天ぷらや炒め物にして食べられることも多く、生の山菜を使うことで独特の香りや風味が活かされています。
お好み焼き
お好み焼きは鉄板焼きの一種です。
水に溶いた小麦粉を生地として、鶏卵、野菜、肉、魚介類、麵類など好みの材料を使用して鉄板の上で焼き上げ、ソース、マヨネーズ、青のり等の調味料をつけて食べます。
キャベツ焼き、関西風お好み焼き、広島風お好み焼き、べた焼き、遠州焼き、カキオコ、ねぎ焼き、かしみん焼き、ちょぼ焼きなどがあります。
郷土料理にアレンジと新たな地域産品を加え、地域興しを兼ねたご当地グルメ
現代では郷土料理にアレンジと新たな地域産品を加え、地域興しを兼ねたご当地グルメが各地で観光資源として商品化されています。
ご当地グルメはその土地の風土を色濃くあらわす伝統的な郷土料理から派生しました。
ご当地グルメは地域独自の食材や調理方法で開発、発展した庶民に愛され親しみやすい料理です。
地域振興のために作り上げもしくは宣伝を行う「ご当地グルメ」や特定の企業が提供する料理、土産菓子などの名物料理もあります。
エスニック料理
エスニック料理は、東南アジアや南米、中東、アフリカなどの民族料理を指す言葉で、香辛料や野菜を多く使うのが特徴です。
タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシア、シンガポール、フィリピン、カンボジア、ラオスなどの国々には、それぞれ独自のエスニック料理があります。
代表的なエスニック料理には、タイのトムヤムクン、ベトナムのフォー、インドネシアのナシゴレン、マレーシアのナシレマ、シンガポールのラクサ、フィリピンのアドボ、カンボジアのアンコーモウ、ラオスのラープなどがあります。
エスニック料理は、スパイスや野菜を多く使うことから、「健康的」というイメージを持っている方が多いです。
世界のCUP NOODLES 日清食品株式会社 ※2024年1月19日金曜日時点の情報
世界各国で親しまれている料理をカップヌードルで再現。
素材やレシピにこだわった、いつもとは違う、ちょっと特別な味わいをお楽しみください。
世界三大スープ パクチー香るトムヤムクン
独特の“すっぱ辛い”味が日本でも大人気!
世界三大スープの一つ、トムヤムクン。
ココナッツミルクの濃厚スパイシースープ シンガポール風ラクサ
シンガポールを代表する料理、ラクサ。
まろやかなココナッツミルクにスパイスの辛み!
濃厚でコク深いスープが食欲をそそる!
和食
和食は日本風の食事や日本人の伝統的な食文化を指す言葉です。
伝統的な日本の料理、つまり和食は、多様性とバランスを強調しています。
米と魚が中心で出汁や発酵調味料を用いた料理が多く、旬の素材や季節感を大切にします。
精進料理や懐石料理などの形式を重んじる料理や、年中行事に合わせた食べ物や家庭食も和食に含まれます。
和食は日本の自然や四季に合わせた食材や調理法を用いた料理の総称です。
洋食に対して和食とも呼びます。
和食の範囲
広義には、日本に由来して日常作り食べている食事を含みます。
狭義には、精進料理や懐石料理などの形式を踏まえたものや、おせち料理や彼岸のぼた餅、花見や月見における団子、冬至のカボチャなどの伝統的な行事によるものです。
和食の起源
和食の起源は諸説があり、「米と魚を中心とした食文化」が発達していることから、その原型は神へのおもてなしにある説が有名です。
「古事記」や「日本書紀」における神話や神武天皇記に和食の起源があります。
民俗学的考察
柳田邦男は日本人の贈答でなぜ食物が重視されるかを考察しました。
その起源は、「節や祝祭で神を祀り、その供物を人にも提供したことにある、すなわち食物としての贈り物は本来、神に対する供物であった」としました。
和歌森太郎は柳田の考察を引き継いだ上で、
「まずは祭りの供物を神と祭祀に関わる者が共に食す神人共食思想があり、それが祭りに参加する人々も含めた共食へ広がり、人々の間でやり取りされる贈答という習慣につながった」としました。
また受け取った贈り物の一部を返す習俗はこの共食思想の名残りとしました。
無形文化遺産への登録
和食は日本の風土と社会で発達した料理です。
洋食に対して和食と呼ばれています。
食品本来の味を利用し、旬などの季節感を大切にする特徴があります。
東京家政学院の「ユネスコに登録された和食」によれば、和食の基本形は飯・汁・菜・香の物であり、白米・大根・ナスのような伝来した食材が使われ、魚介・海藻の豊富さ、蒸し・茹で・煮るといった調理法の簡単さ、昆布・鰹節・煮干しといった出し汁、味噌・醬油・日本酒・味醂・酢・塩・砂糖といった調味料の多さ、平安時代から現代の日本まで継承された七夕のような節供の年中行事との関わりを挙げています。
ユネスコへの登録に関して出版された和食文化国民会議のブックレットによれば「和食には自然の中の神が年中行事の中で食と結ばれたという特徴を持つ」と記されています。
日本は年末年始における餅つきや御節料理、食育教育を中心にプレゼンテーションを行いました。
和食を「いただきます」や「もったいない」といった食事という空間に付随する事柄も含めた「自然の尊重という日本人の精神を体現した食に関する食習慣」として提案しました。
これが和食の文化として評価され無形文化遺産に指定されました。
2013年にユネスコの無形文化遺産に登録された和食は、「多様で新鮮な食品とその持ち味の尊重」「栄養バランスに優れた健康的な食生活」「自然の美しさや季節の移ろいの表現」「正月などの年中行事との密接な関わり」です。
和食は日本人の伝統的な食文化
食文化は自分たちを取り巻く自然環境とその国や地域ならではの文化を背景にして育まれます。
原始時代の日本料理は米と魚を中心とし、獣肉と油脂の使用がきわめて少ないという特徴があります。
平安時代にまでさかのぼると、大饗料理では椅子と円卓に散蓮華と言った大陸文化の影響があったが、平安時代の中盤以降は急速に和風化が進み消えていきました。
鎌倉・室町時代に入ると、天ぷらのような西洋伝来した技術も取り入れ、ダシの旨味も重視し、ご飯を中心に日本料理としての形が作られました。
特におもてなし料理として二汁五菜が定着していて、日本の家庭料理はご飯を中心にした一汁三菜が日常の食でした。
これ以降には日本料理の基礎が固まり、江戸時代後期にほぼ完成に至りました。
日本の食文化の成り立ちは、中国や朝鮮半島、そして東南アジアなどの外の文化を取り入れながら、また、近代には西洋の食文化も受容して発展してきました。
自然の恵みを尊重しつつ暮らしの中で伝えられてきた工夫のうえに、海外の食材や料理を上手に取り入れき一つの文化を育んできました。
自然の味をいかした料理を作り大切に食べてきた
春夏秋冬、日本は世界に類を見ないほど四季が明確で、和食にはその季節でしか味わえない多種多様な旬の食材が取り入れられます。
食材を無駄なく使うために調理や保存に工夫をし、四季を味わうために料理の器、盛り付け、部屋の飾りに気を配り、お正月などの行事に合わせた特別なご馳走を作り出してきました。
和食は料理のことだけを指す言葉ではありません。
例えば、お正月のおせち料理は新しい年を迎え、今年1年を元気で幸せいっぱいに過ごせるようにという願いが料理に込められています。
日本人の信仰やものの考え方がおせち料理とお屠蘇とお雑煮という食とそれを囲む空間に表れています。
和食は時間をかけて独自のものに変化させた
和食には、昔からある料理の他に海外から伝わった料理を時間をかけて独自のものに変化させた料理もあります。
家庭で食べる和食といったら、ご飯とみそ汁、おかず、漬物、町の食堂の焼き魚定食も和食、カレーライスや寿司もご飯が中心たから和食の一つです。
醬油で味付けされている肉じゃがやすき焼きも、海外からきた食材を和食に変化させた料理です。
近年は日本の様々な食べ物が世界に紹介されて広まっていますが、その様な料理を表す際に和食と日本料理という2つの言葉がよく用いられます。
和食に使われる食器
食器は食事に用いる容器や器具の総称です。
容器については単に器と呼ぶ場合もあります。
菜箸や鍋といった調理の際に用いる器具や容器は調理器具として通常は食器の範疇に含めないが、食事中も卓上で用いられるものに関してはその限りではありません。
和食における膳や洋食においてパンなどを直接乗せる布、ランチョンマットなどは食器の範疇に含まれることがあります。
蒸器は調理器具ですが、料理を温かいまま食卓に供されます。
蒸し器は香りや風味を逃さない、具材を崩さないなどの目的でそのまま食器としても用いられます。
現代においても木製の食器は懐かしさや安心感を感じやすく高い人気があります。
日本では和食器と洋食器に大別されることが多いです。
洋食器はさらにガラス食器と陶磁器のチャイナなどに分かれます。
皿
椀や鉢よりも浅く、低い食器で、汁気の少ない料理を入れるのに用いられます。
鉢
皿よりも深く広く口の開いた器です。
椀
椀は木製で汁椀です。
碗
碗は陶磁器製でご飯茶碗です。
箸
同じ長さの2本の棒状のものが一組になっている点はほぼ全ての箸に共通しています。
箸は2本一対になった棒状のものを片手で持つ食器で、食べ物を挟んで移動させることができます。
多くの場合、皿などの器にある料理を挟んで別の皿や自分の口に移動させるために用いられます。
箸には通常「先」があります。
基本的に棒のどちらか一端のみが食べ物に接触することが前提となっています。
棒の一端が細くなっていること、装飾などがないことなどによって見分けられます。
箸は材質や形状などに様々なバリエーションがあります。
祝箸のように先が両端に存在するものもあります。
材質は木、竹、金属、プラスチック、象牙などがあります。
多くの場合、模様や装飾の類も左右対称または合わせて一つの模様になるよう2本に同じものが施されています。
日本で食事に用いられる箸
日本で食事に用いられる箸の典型は、短い木に漆・合成樹脂を塗ったもので、塗り箸と呼ばれます。
若狭塗り、輪島塗り、津軽塗りなどがあります。
木目の美しさを出すために表面に漆などによる塗りを施さない箸もあります。
日本の箸は片端のみ先が細くなっているものが多いです。
日本の箸の先が細くなっているのは、骨付きの魚を食べる時に骨と身を分けやすいためです。
調理用には食事用の箸より長い菜箸や真魚箸が使われます。
鶏や魚など生臭ものには真魚箸、野菜には菜箸を使って香り移りを防ぎます。
日本では自分が使っている箸で共用の皿から料理を取ることを嫌うため、取り箸が使われます。
東アジア地域で使われている箸
世界の約3割の人が箸で、4割が手で、残りの3割がナイフ、フォーク、スプーンで食事をしているとの統計があり、これは、食物の違いや調理方法に起因するとの見方があります。
全体的に見ると、
粘り強い白米、炒め物、魚、鍋料理をよく食べる地域では箸
肉、野菜、スープをセットで食べる地域ではナイフ・フォーク・スプーン
鍋料理をほとんど食べない地域では手
のように分かれています。
挟む食材が多い料理には箸、突く・乗せる食材が多い料理にはフォークを使う食べ方が発展しました。
箸は古代の中国で発祥、今は東アジア地域を中心に広く用いられています。
日本、中国、韓国、北朝鮮、台湾、シンガポール、ベトナム、タイ、ラオス、カンボジア、モンゴルなどで日常的に使われてきました。
タイとカンボジアとラオスでは、汁に入った麵類を食べる時だけ箸とレンゲを使います。
その他の料理にはスプーンとフォークを用いるが、蒸したもち米をちぎり手で丸めて食べる「カオ・ニャオ」が好まれる地域では手も使います。
椀に口を付けず麺もすすらないベトナムでは、粥や汁物はスプーン(もしくはレンゲ)のみ、麵類は箸とレンゲ、一般的な食事には箸とスプーンを用います。(汁物がなければ箸のみ場合もあります。)
中国、台湾、朝鮮半島、ベトナムでは「箸を主に使い、レンゲで補助する」という形をとる一方、日本では「箸のみ」が使われています。
日本の箸はすまし汁やみそ汁にも使うため、椀を手に持って口に運ぶのは日本だけです。