ウメの果実を漬けたものを梅漬けといい、梅干しは梅漬けを干したものです。
非常に酸味が強く、酸っぱい食品の代名詞のように扱われます。
梅干しのこの酸味は主に、梅自体に含まれるクエン酸に由来します。
伝統的製法
梅干しは6月頃に収穫する熟したウメが使われます。
ウメと塩を混ぜるとウメから出た水分が出ます。
数日するとウメが水分に浸ります。
赤しそ漬けの場合、赤しそを塩で揉んでウメから出た水分に加えて発色させます。
天日干しをすると梅干しになります。
梅の実の選び方
和歌山県は日本一の梅の産地で、この地で生まれる南高梅は最高品種として知られています。
全体的に黄塾色の梅を使うと、やわらかい漬け上がりの梅干しができます。
世界農業遺産認定「みなべ・田辺の梅システム」
「みなべ・田辺の梅システム」が、平成27年12月15日(火)にFAO本部(ローマ)で開催された「科学合同委員会:GIAHS運営」において、世界農業遺産に認定されました。
ストックバッグを使った梅干しの作り方
分量の目安:南高梅(黄色く熟したもの)1㎏、粗塩200g、ストックバッグ1枚
梅を軽く水洗いし、よく水気を切ります。
ストックバッグへ塩と梅を入れ混ぜます。
塩分は20%が基本です。
減らすと失敗する恐れがあります。
まんべんなく馴染んだら、2~3日程度で梅酢があがってきます。
空気が出てきたら適宜抜きます。
仕込み後約1ヶ月で漬け込みは終了です。
天気が3~4日程度続くのを見計らって、天日干しします。
天日干しして出来上がりです。
塩分が気になる場合は出来上がった梅干しを塩抜きします。
梅干しの塩分を抜く方法
水1ℓの中に、塩小さじ1杯程度(5g)を加えてよくかき混ぜます。
梅干し200gを入れ、約8時間漬けておくと、塩分は約14%になります。
長時間漬け過ぎると、梅がふやけてしまうことがあります。
必要な分だけ塩抜きしていただき、塩抜き後は冷蔵庫で保存します。
農産物漬物の日本農林規格(平成17年11月14日農林水産省告示第1752号)の定義
梅干しは梅漬けを干したもの
調味梅干しは梅干しを糖類、食酢、梅酢、香辛料等またはこれらに削り節等を加えたものに漬け込んだもの、または調味梅漬けを干したもの
梅漬けは農産物塩漬け類のうち、梅の果実を漬けたもの又はこれを梅酢若しくは梅酢に塩水を加えたものに漬けたもの
調味梅漬けは梅漬けを砂糖類、食酢、梅酢、香辛料等又はこれらに削り節等を加えたものに漬けたもの
梅干しの効能
梅は医者いらずと言われるように、クエン酸などの効果として、熱中症予防や夏バテ、疲労回復、肥満防止などの健康効果が注目されています。
唾液の分泌を促す
クエン酸の酸味が唾液の分泌を促して消化吸収を良くします。
梅酢
梅酢は、梅を塩漬けにしたときに上がってくる強い酸味を持つ透明な液体です。
梅酢も衛生的に管理されていれば食用になります。
梅酢寒天の作り方
材料:粉かんてん 2g、水 300ml、沖縄の恵み糖 50g、梅酢 10ml
- 鍋に粉かんてんと水を入れて沸かします。
- 沖縄の恵み糖を煮溶かして梅酢を加えて火を止めます。
- 型に流して、冷蔵庫で冷やして出来上がり。
梅ジャムの作り方
材料:南高梅330g、上白糖300g
梅を水洗いして凍らせます。
凍らせた梅を中火で煮つめます。
弱火にして砂糖を半分程度入れて煮詰めます。
残りの砂糖を入れ、少しシャブシャブの状態になるまで煮詰めていきます。
わずかにとろみが出るまで煮詰めます。
煮詰めすぎると固まり過ぎます。
330gの梅で約300㎖のジャムができます。