パンは世界の広い地域で主食となっています。
パンは、典型的には小麦粉やライ麦粉といった穀物粉に水、酵母、塩などを加えて作った生地を発酵により膨張させた後、焼くことで出来上がる膨化食品です。
パンの典型的な製法
パンの典型的な製法は、小麦粉やライ麦粉などの穀物粉に水などを混ぜてパン生地にし、酵母かパン種をパンの生地に混ぜ込んで生地を発酵させることで(発酵の際に生じる二酸化炭素により)パン生地を膨らませます。
酵母は微生物(細菌)の一種で、パンの製造にはこれを糖蜜などで培養したものを用い、これによりパンはアルコール発酵します。
パン種は穀物や果実などに付着している酵母その他複数の微生物を利用して作られた液状ないし生地状のものです。
パン種に入っている微生物としては乳酸菌や麴があり、乳酸菌が乳酸発酵する事でパンに酸味が加わります。
加熱方法は全体に熱が通るようオーブンで焼くというのが典型的です。
簡単パンの作り方
材料(簡単パン4個分)
強力小麦粉 100g、豆乳 75cc、バター 8g、ドライイースト 3g、純粋はちみつ大さじ1
- 耐熱容器にバターを入れ、ラップをせずに電子レンジ(600w)で30秒加熱します。
- バターが溶けたら豆乳とドライイーストを入れて混ぜてから、純粋はちみつ、強力粉の1/3の量を入れてよくなじませ、残りの強力小麦粉を入れて混ぜます。
- 1次発酵、電子レンジ(200w)で30秒加熱します。
- 生地を4等分に切り分けて、丸く形を整えて10分置きます。
- 打ち粉をして生地のガス抜きをして、丸めて成形します。
- 2次発酵、電子レンジ(200w)で30秒加熱します。
- 180度に予熱したオーブンで20分焼くと完成です。
パンの種類別製造工程
パンの種類によってはパン生地を平たくして焼くもの(フラットブレッド)や、蒸すもの、揚げるものもあります。
発酵させずに重曹やベーキングパウダーといった化学的膨張剤の化学反応による二酸化炭素で膨らませるものもあります。(速成パン、クイックブレッド)
種無しパン、無発酵パンなどと呼ばれるパンは、膨らませる事を行わず、フラッドブレッドとするものが多いです。
食パン、フランスパン:酵母で発酵させた後、オーブンなどで中まで加熱する
ピタ、ナン:酵母で発酵させた後、平たくして加熱する
マントウ:酵母で発酵させた後、蒸す
イーストドーナツ:酵母で発酵させた後、揚げる
サワーブレッド:パン種で発酵させた後、オーブンなどで中まで加熱する
速成パン(ソーダブレッド、スコーン、マフィン):膨張剤と加熱で膨らませて、オーブンなどで中まで加熱する
速成パン(ホットケーキ):膨張剤と加熱で膨らませて、平たくして加熱する
速成パン(蒸しパン、ボストンブラウンブレッド):膨張剤と加熱で膨らませて、蒸す
速成パン(ケーキドーナツ):膨張剤と加熱で膨らませて、揚げる
種無しパン、無発酵パン(トルティーヤ、ロティ):膨らまさず、平たくして加熱
種無しパン、無発酵パン(プーリー):膨らまさず、揚げる
食パン
食パンは長方形の箱型の型で焼いたパンです。
形により、山型食パン(ラウンドトップ)、角型食パン(プルマンブレッド)、ワンローフなどに分類されます。
クラム
クラムはパンの外皮の内側にある気泡を多く含む柔らかい部分です。
柔らかく中が白いパンは豊かさの象徴です。
製法
配合:強力粉を150として重量比で、ドライイース3、牛乳100、食塩3、純粋はちみつ10、バター8
工程は大まかに、ミキシング(材料を混ぜる)→ 発酵 → 切り分け・丸め → ベンチタイム → 成形・型詰め → 焼成 → 型からの取り出し、といった順になります。
サンドイッチ
サンドイッチはパンなどに肉や野菜、卵等の具を挟んだり料理です。
簡単に調理でき、気軽に食べることができ、工夫次第で栄養バランスも良くなります。
食べる時に食卓やカトラリー、箸などを必要とせず手でつかんで簡単に食べられます。
デンマーク料理のスモーブロー、イタリア料理のパニーノ、フランス料理のカナッペやクロックムッシュなどがあります。
マーマレード
マーマレードはオレンジ、夏みかん、柚子、グレープフルーツなど柑橘類を加工した食品です。
パンに塗って食べられることが多いです。
作り方
始めに実と皮を分けます。
皮は千切りにして水に浸します。
実から果汁を絞り皮と一緒に煮ます。
皮が柔らかくなったら、砂糖を加えてゲル化するまでかき混ぜながら煮立てると完成です。
地域別パンの特徴
日本
日本においては、主食の地位には米飯があったため、パンは主食としてよりもむしろ惣菜や菓子として主に発達しました。
甘いおやつ用のパン(菓子パン)もあります。
主食として使用される食パンにおいても、日本人は米飯というきわめて柔らかい主食に慣れていたため、米飯に似せて水分を多くしたやわらかなパンが好まれる傾向にあります。
クリームパン
現在のクリームパンには、生クリーム、チョコレートクリーム、コーヒークリームなどを充填したものがあります。
日本で最初のクリームパンは、中にカスタードクリームが入っている菓子パンでした。
カスタードクリームパンの作り方
材料(5個分)
パン生地:強力小麦粉200g、ぬるま湯125㎖、純粋はちみつ10g、塩3g、明治チューブでバター1/3 10g、ドライイースト3g
カスタードクリーム:卵1個、純粋はちみつ60g、薄力小麦粉35g、牛乳200㎖、明治チューブでバター1/3 10g
パン生地を作る
耐熱ボールに、ぬるま湯、純粋はちみつ、塩を入れて混ぜます。
強力小麦粉半量を加えてボムベラで混ぜます。
ドライイーストを入れて混ぜます。
残りの強力小麦粉を加えてゴムベラで混ぜ、軽くまとめます。
明治チューブでバター1/3を加えて混ぜ、手でボールの内側に打ち付けながら、伸ばしては畳む、を繰り返し300回こねます。
耐熱ボールにラップをかけて、暖かいところで40~50分ほど発酵させます。
カスタードクリームを作る
耐熱ボールに卵を割り入れて泡立て器でかき混ぜます。
純粋はちみつを加えて混ぜ合わせます。
薄力小麦粉を振るって加えよく混ぜます。
牛乳を少しずつ注いで混ぜ合わせます。
電子レンジで3分加熱して取り出して混ぜ合わせます。
明治チューブでバター1/3を入れて混ぜ合わせます。
もっちりとしたやや硬めのクリームに仕上げます。
クリームパンを作る
パン生地が2倍くらいの大きさに膨らんだら、シリコンマットの上に取り出して5等分します。
生地を丸めて5分ほど置きます。
パン生地を手のひらで広げて、カスタードクリームを包みます。
40分ほど暖かいところで発酵させます。
しっかり閉じて天板に間隔を置いて並べます。
180℃のオーブンで15分くらい、焼き色がつくまで焼くと完成です。
アメリカ合衆国とカナダ
アメリカ合衆国とカナダでは、イーストの代わりに重曹とベーキングパウダーで膨らませた、発酵いらずのパン(速成パン / クイックブレッド)の種類が豊富です。
加工パンやサンドイッチの一種のホットドックやハンバーガーが大量に消費されていて、アメリカの象徴と見なされることもあります。
ホットドッグ
アメリカの国民食と知られる「ホットドッグ」。
細長いパンに切り込みを入れソーセージを挟んでいただく、世界でも有名なパン料理の一つです。
英語のhot dogは、ソーセージを細長いパンに挟んだ食品だけでなく、この種のソーセージそのものも指す単語です。
このためホットドッグ用に作られたソーセージ単独の状態もホットドッグと呼ばれます。
ホットドッグの調理
ソーセージは熱煎または焼網や鉄板、店舗用の回転式専用グリラーなどでグリルされます。
パンは常温、トースト、スチームと店や好みによって様々です。
味付けはマスタードを基本にトマトケチャップ、レリッシュ(タマネギやピクルスを細かく刻んだもの)、ザワークラウトなどが用いられます。
コーンブレッド
コーンブレッドは発酵の工程が不要な速成パンの一種です。
アメリカ合衆国では各家庭でも作られていて、各家庭によって、地域によって材料の配合や作り方にも様々なものがあります。
共通的なレシピは、とうもろこしの粉(コーンミールやコーングリッツ)を用いることです。
とうもろこしの粉に由来するおだやかな甘さ、食感とパンを割ったときのとうもろこしのほのかな香りが共通点です。
感謝祭(11月の第4木曜日)とその週末には七面鳥料理と共に欠かせないものとなっています。
コーンピザ
材料
スイートコーン60g
ピザミックス 株式会社ニップン
名称:ピザ生地ミックス
原材料名:小麦粉(国内製造)、砂糖、植物油脂、食塩、乾燥酵母、乾燥発酵小麦粉、モルトフラワー、脱脂粉乳 / ベーキングパウダー、乳化剤、(一部に小麦・乳成分・大豆を含む)
ピザシート(ピザミックス100g、水50㎖)1枚
A(トマトケチャップ大さじ2、粒マスタード小さじ1)
ピザ用チーズ60g
作り方
下ごしらえをする
Aを混ぜ合わせておく。
焼く
フライパンはサッと洗って水気を拭く。
ボールにピザミックスと水を入れ、へらなどで少しまとまるまで混ぜてから、約1分こねる。
生地を丸めラップをかけ、5分程度ねかせる。
フライパンの底面に広げるように、生地をのばす(厚さ5㎜が目安)。
中火で両面を温める程度に軽く焼く。
いったん火を止め、混ぜておいたAを表面に塗り、スイートコーンをのせる。
ピザ用チーズを散らして蓋をし、再び中火にかける。
チーズが溶けるまで焼く。
ポイント
フライ返しで押さえながら両面を焼く。
生地に油分が含まれているので油は引かなくてもよい。
スイートコーンのせ、菜箸でバランスよく散らす。
蓋をして蒸し焼きにする。
具に火が通っているので、チーズが溶けたらでき上がり。
イタリア
ピザ(pizza)は、小麦粉、水、塩、イーストをこねた後に発酵させて作った生地を薄く円形に伸ばし、その上にトマト、チーズとその他に様々な具(アンチョビ、マッシュルーム、タマネギ、オリーブ、その他野菜、肉類など)を載せ、オーブンや専用のかまどなどで焼いたイタリア発祥の料理です。
シーフードピザ
材料(2人分)
ピーマン1個(30g)
キャノーラ油大さじ1
シーフードミックス(冷凍)1袋(160g) 株式会社ニッスイ
原材料名:えび(ミャンマー)、いか、あさり、食塩 / 調味料(無機塩)
塩こしょう少々
ピザミックス 株式会社ニップン
名称:ピザ生地ミックス
原材料名:小麦粉(国内製造)、砂糖、植物油脂、食塩、乾燥酵母、乾燥発酵小麦粉、モルトフラワー、脱脂粉乳 / ベーキングパウダー、乳化剤、(一部に小麦・乳成分・大豆を含む)
ピザシート(ピザミックス100g、水50㎖)1枚
A(トマトケチャップ大さじ2、粒マスタード小さじ1)
ピザ用チーズ40g
作り方
下ごしらえをする
シーフードミックスは解凍し、サッと洗って水気をしっかり拭く。
ピーマンは縦半分に切ってヘタと種を除き、1.5㎝四方に切る。
Aを混ぜ合わせておく。
具を炒める
フライパンにキャノーラ油を中火で熱し、ピーマンを入れて強めの中火でサッと炒める。
シーフードミックスを加えてサッと炒め合わせ、塩こしょうをふって取り出す。
焼く
フライパンはサッと洗って水気を拭く。
ボールにピザミックスと水を入れ、へらなどで少しまとまるまで混ぜてから、約1分こねる。
生地を丸めラップをかけ、5分程度ねかせる。
フライパンの底面に広げるように、生地をのばす(厚さ5㎜が目安)。
中火で両面を温める程度に軽く焼く。
いったん火を止め、混ぜておいたAを表面に塗り、ピーマンとシーフードミックスをのせる。
ピザ用チーズを散らして蓋をし、再び中火にかける。
チーズが溶けるまで焼く。
ポイント
フライ返しで押さえながら両面を焼く。
生地に油分が含まれているので油は引かなくてもよい。
炒めた具をのせ、菜箸でバランスよく散らす。
蓋をして蒸し焼きにする。
具に火が通っているので、チーズが溶けたらでき上がり。
飲み物
レモンティー
レモンティーは紅茶を淹れたものに、レモンの果実のスライスや果汁を入れた飲み物です。
アメリカ合衆国にルーツを持つ紅茶の飲み方とも言われています。
カリフォルニアの一部の農家がしていた紅茶にレモンを入れるという習慣が女性誌で紹介されました。
日東紅茶のレモンティーは、レモンピールをプラスした本格的な味と香りです。
ビール
ビールの製法は、主に大麦を発芽させた麦芽(デンプンがアミラーゼという酵素で糖化している)を、ビール酵母によりアルコール発酵させて作る製法が一般的です。
現在は炭酸の清涼感とホップの苦味を特徴とするラガー、特にピルスナーが主流で、エールなど様々な種類のビールが世界各地で飲まれています。
ビールは、広範囲な言語圏(英語、インド・ヨーロッパ祖語、ゲルマン祖語、エストニア語、デンマーク語、ノルウェー語、スウェーデン語、ラテン語、オランダ語、ドイツ語、フランス語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語、ロシア語、セルビア語、ポーランド語、日本語、中国語、台湾語、韓国語、フィンランド語、ハンガリー語)で飲まれています。
乳製品
発酵系列群(ヨーグルト)
西アジアを中心とした地域で発達した加工方法です。
生乳を乳酸発酵し酸乳にしてから加工します。
凝固剤使用系列群(チーズ)
冷涼なヨーロッパ地域や西アジアでは、レンネットを使用した凝固剤使用系列群が発達しました。
暑熱なインドでは、クエン酸や柑橘類(ライム)の果汁を利用した加工方法があります。
クリーム分離系列群
生乳からクリーム分を分離して加工します。
加熱濃縮系列群
生乳を加熱・濃縮して加工します。
コーンポタージュ
玉ねぎとトウモロコシの優しい甘さ、甘くて濃厚、なめらかなコーンポタージュです。
材料(2人分)
とうもろこし1本250g、玉ねぎ1/2個、水200㎖、牛乳200㎖、有塩バター20g、塩小さじ1/3
作り方
とうもろこしは3等分に切り、包丁で粒を削り落とします。
玉ねぎはみじん切りにします。
鍋にバターを入れて中火で熱し、とうもろこし、玉ねぎを加えて玉ねぎがしんなりするまで炒め、蓋をして弱火にし3分蒸し焼きにします。
焦がなさいように絶えず混ぜながら炒めます。
水を入れて煮立ったら蓋をして弱火で15分程煮ます。
飾り用にとうもろこしを大さじ1取っておきます。
冷めてから容器に入れてブレンダーで滑らかになるまで攪拌します。
鍋に戻し入れ、牛乳を加えて温めます。
塩で味を整えます。
器に盛り、飾り用のとうもろこしを散らします。
食器
カトラリー
カトラリーは食卓用のナイフ、フォーク、スプーンなどの総称です。
高級なカトラリーには銀合金製のものがあります。
銀食器は、王侯貴族の食卓で永らく重用されていたことから「高級食器の代表」として扱われるに至り、現在でも高級感を求める迎賓館、貴族の邸宅、高級レストランなどで広く用いられています。
銀のカトラリーが用いられるようになった理由
中世ヨーロッパにおいて王位継承者に対する毒殺が横行していました。
とりわけ無味無色無臭で水溶性のヒ素が多用されていました。
毒に使われていたヒ素は銀や鉛の精錬時の副産物として得られたものです。
混入した硫黄が銀と反応して黒色の硫化銀を生じました。
当時は料理を盛りつけた際に銀食器が黒変することでヒ素の混入を検知していました。